もぎりよ今夜も有難う(読書感想文)
久しぶりのエッセイ。SNSの読書仲間のおすすめより。片桐はいりさんは私が観てきた映画でちょこちょこお見かけするだけだったけど、独特の存在感とひょうひょうとした雰囲気がとても好き。
「映画館出身、劇場育ち」とご本人が書いている通り、元々映画が大好きで映画館のもぎり(チケットを切る担当のスタッフ)としてずっと映画館勤めをしていたとのこと。演劇や映画で活躍するようになってからもしばらくもぎりは続けていて、今もライフワークで時々映画館で働いているという話を聴いて、とても興味を持って読んでみた。
私より10歳程年上だけれど、生きてきた世代としては近いものがあって、懐かしいと思う景色がとても似ていた。
誰かが今は「おりこうさんが多い」と言っていたけれど、確かに私が若かったあの頃は破天荒な人が多かった気がする、とこの本を読みながら思い出した。これ、やってみようとかを大なり小なりけっこうダイナミックにやってみる人が多くて、話を聞いて大笑いしたり、自分のエピソードも人を笑わせたり。
時代に良い悪いは無いと理解しているけれど、あの時代の素敵な部分、今まで振り返ることもなかった様な小さなことをたくさん思い出した。
私自身、自分の仕事を自分や家族を食べさせるための糧としてだけでなく、心の糧だとも捉えているので、はいりさんが有名になっても尚映画館で働く姿は人生のモデルにしたいと思った。
ほのぼのした中に、映画愛や人への強い愛が感じられるエッセイ。いろんな意味で心の栄養になった。
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