お探し物は図書館まで(読書感想文)
英会話の生徒さんと読書の話になった時話に出てきた作家さんの本を、図書館で借りてみた。
一つの章に一人の人を取り巻く話、それが五つの五章から成る物語。その五人に共通しているのは、あるコミュニティーハウスにある図書室。
それぞれの物語を読んでいる間、そこに出てくる人たちはなんとなくぼんやりしている。でも読み進めていく内に一人一人が白黒からカラーになっていく感じ。
私は、新しい場所や新しいクラスで英語を教え始める時に、教壇から見る皆さんが最初は少しぼんやりしていて、そこからご一緒するにつれてどんどんお一人お一人の色が際立っていく感じが大好き。
NHKの72時間も、大好き。人はそれぞれが主人公なのに、全く知らないってだけで誰かにとっては通行人Aみたいになる。でもちょっとしたきっかけで交わる中でその人のことをとても愛おしく感じる。
人と人っていいな、って思える瞬間が増えたし、年を重ねるにつれ涙腺が弱くなってきたのは、きっとそんな素敵な出会いを重ねてきたことに今気づいたからかもね。
この本を読みながら、本の中でその不思議を改めて感じて、嬉しい気持ちになる。歩んできただけ、感じることが変わる。交わってきただけ想いも変わる。
自分の周りの人にも改めて感謝したくなった。
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心に残った言葉(順不同)
●だけど私は少しだけ、ほんの少しだけ......。
彼といっしょに生きた気がした。
●人と人とが関わるのならそれはすべて社会だと思うんです。接点を持つことによって起こる何かが、過去でも未来でも。
●未来の自分が考えるべきことを、今考えてはだめだ、そう思った。
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