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夏の庭(読書感想文)
娘が家の本棚に残していった本。ずっと気になっていたけれど、やっと手にした。
一人の男の子視点で書かれていて、それがとてもリアル。目に見えるものをまっすぐ受け取る子どものピュアな感覚を思い出した。経験値が高く無い故に想像の範囲が狭いのもあるが、それがかえって真実を捉えている様な気がする。子どもが大人を見つめる目が純粋で胸が痛くなる瞬間がある。
人が亡くなることに興味を持つ主人公とその友人たち。近所の一人暮らしの年配男性を死に近いと踏んで、3人で家の見張りを始めることから始まる物語。
細かい描写が程良く盛り込まれていて、いろいろな人の心の動きを想像する良い材料になっている。映像をみているかの様な人の動きや目に映るものの描き方がとても好きだった。
この小さな町内の行ったり来たりの話(途中一時遠征あり)だけれど、子どもたちの心の動きが凄まじく立体的に広がる世界。人の心の成長がいかにその人の視野を広げていくか、物語を読み進める内にそれを強く感じた。
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