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試行錯誤のない少年時代

 つい最近英語の先生仲間と話していたら「計算問題は出来ても実際買物の時に計算が出来ない子どもたち」や、「試行錯誤する機会のない子どもたち」の話になった。

「ルール」とか「テスト」とか自分の行動を促すものがどんどん形頼みになっていくと、自分で考えなくなる。自分の感覚をあてにしなくなるし、自分の本当の気持ちを考えることも、表現することも止めてしまう。

「それ、テストに出ますか?」

「ルールだから仕方ないです」

 つい最近、そんな大人の方々と仕事の話をする機会があってガックリした。「え?あなた自身はどうしたいのですか」と尋ねたかった。心で話したかったけれど。「そういうことになっていますので」の一点張り。

 だから、私の教室は英語教室だけど、「どう思う?」「こんな時、自分ならどうしたい?」を大事にしている。「嫌だったら嫌って言うんだよ」も、形だけじゃなくて本気で言ってる。それが自分を守る術だから。
自分には感情や性質があって、それがどんな風に好きなのか、嫌なのか。そこと向き合い表現することから始めている。日本語で。

それを置いてけぼりにして英語だけ上手になっても仕方ないもん。

 でも、多くの教育現場では次々に新しい取り組みが行われ、新しい教育法が試される度に子どもたち自身の心から遠ざかる。自己と向き合う時間が削られ、新しい教育と未来のためのなにかしら。

「今」を大事にしないと、その先の幸せに繋がっていかない。

子どもたちがいろいろな経験を通して自分の心に触れる体験が必要。

試行錯誤して。

悩んで学んで。

自分ともっと仲良くなれたら、子どもたちは一生の強い味方を手に入れる。

 今日も静かにその思いを新たにする。


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なみお
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