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地球の反対までトンネルを掘る

 大好きな作家寺地はるなさんがSNSで「読んだ」って書いてらしたのを見て、早速。久しぶりに海外の作家さんの読んだ。若い頃はアガサ・クリスティとかレイモンド・チャンドラーとか洋画の原作本とか、エッセイはボブ・グリーンが大好きで読んでたけど、あの時の感じが蘇ってきた。人として感じる気持ちは同じだけど、そこに出てくるアイテムや生活がまるで違う、日本以外の作家さんの本はそういう興味深さもある。
 
 この訳者の芹澤恵さんの訳がまたとても読みやすくて、すごく肌馴染みが良い感じがして好きだったな。

 これは11個の短編がまとまった一冊。当然かも知れないけど漂う空気感になんとなく統一感があって。でもどれも同じと言うわけではなく、一つ一つの発想がユニーク過ぎて、読後も11個全部をしっかり思い出せる様なインパクトだった。私を読書の世界に誘った星新一さんのことを思い出したけど、それよりももっと一つ一つの話や一人一人を身近に感じた。どの物語にも自分がいる気がする。

 本の内側に「孤独と共感」の物語と書いてあるけど、その通りだと思う。突拍子もない物語の様に見えて、大なり小なり誰もが持っている孤独に寄り添っている様で。だからこそしっくりくるのかな。

 とっても好きだったし、今後ふとした瞬間に度々思い出すだろうな、と思う。不思議な本だった。

 私が好きだったのは「地球の中心までトンネルを掘る」と「あれやこれや博物館」
 あなたのお気に入りも知りたいです。是非。

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