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君に光射す(読書感想文)
「優しいお話」という誰かの感想を見て、手にとってみた。まだまだ出会いきれていない作家さん、いるなぁ...と痛感。
描写、言葉、細部に優しさと柔らかさを感じる。とんがっても良さそうだし、強い言葉を使って描く人もいそうな出来事も、この本の中では本当に優しい。
見方によれば(というのもこの本の中によく出てくるのだが)、優柔不断とも言える様な読む人にとってはもどかしくなってしまう様な瞬間がたくさんあるけれど、このお話の中にいると、それ自体をとても愛おしく感じる。
私自身、物事を一気に断罪せずにいろいろな角度から見ようとしてしまって、時間がかかる。じっくり向き合わざるを得なくなってしまうのが、自分でどうなんだろうと思っていた。若い頃みたいに、断罪して怒ることも必要なのではないか、とも感じている。
でもこれはこれで良いのかも知れない、と思えた。怒る必要があるならば、そのタイミングはくる。自分を信じて自分のタイミングに身を委ねても良いのではないか、と。
人の中にある光と陰。光だけの人はいないし、陰だけの人だっていない。その両方があるのが人。その前提で始まるお話は、人のどんな部分にも光を当てる物語だった。
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