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短編小説

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#眠れない夜に

【小説】続き

【小説】続き

(906字)

ベッドの上で目覚めると、あなたがいなくなっていた。

わたしはアパートを飛び出し、あなたを探した。
夜の冷たい風が、無防備な身体を容赦なく刺した。

あなたは、映画が好きだった。
わたしの部屋に来るときは必ず、コンビニの袋とレンタルショップの袋を下げていた。

「今までみた映画で1番好きな映画は?」
 わたしが訊ねると、あなたは、

「考えたこともなかった」
 と答えた。

 しば

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