薊野成美

Facebookやってるけど会社の同僚にする話ではなく、Twitterもやってるけど140文字にはまとめづらく、Webサイトも持ってるけどそこにはオリジナル小説がらみのことだけ書きたいので、ほかのことを書くスペースにしようかなーと。

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マガジン

  • 一次創作小説

    自作の小説を収めていくマガジンです。 主に友人同士で活動している文藝部の発表作品です。

  • 映画の感想

    観た映画について好き勝手に書いた感想を放り込んでおくマガジンです。

  • 100文字ドラマ

    テレビ東京の企画「#100文字ドラマ」(https://note.com/info/n/n2293e820722f)に参加したテキストをまとめています。

  • 健康中毒

    健康(や美容)にまつわる文章をまとめたマガジンです。

最近の記事

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星を集める(読んだ本から、気になった文章を書き留めておく場所として)

 それからふたりは口をつぐんだまま、自分たちが受けた輝かしい教育を生まれて初めて呪った。この不愉快と怒りと不満が団子になったような惨めで悔しくてやるせない思いを解き放つにふさわしい悪たれとして、「くたばれ」という一語しか授けてくれなかった教育を、心の底から恨めしく思ったのだった。 ――米原万里『終生ヒトのオスは飼わず』(文春文庫) 前もBを選んだのって私がB型だから?(違ったらごめんなさい) ――中村珍『羣青』下巻(小学館 IKKI COMIX)  とてもシンプルな行いだ

    • たぶん私が世界一幸運な観客。

       小学校高学年か、中学生になってたか、くらいの時。新聞のテレビ欄を眺めていたら、映画のタイトルが目に入ったんです。  深夜の空き枠に、穴埋めみたいに古い映画やってることあるじゃないですか、あんな感じで、小さいスペースにタイトルだけ、ちまっと載ってました。内容紹介もほんの二、三行と、あと「1968年、アメリカ。」だけ。  全然知らない、聞いたことのない映画だったんですが、何となく気になって、暇なときに観るように一応、と録画だけしておきました。  で、しばらく忘れてました。  

      • 文フリ・プロジェクト・マネジメント(文学フリマに出ます)

        2023/11/11開催の文学フリマ東京37に出展します。 趣味のサークルで出会ったメンバーと集まって合同誌を販売いたします。本名で参加したサークルなので「薊野成美」では出していないんですが、Webサイト(ftpパスワードが分からなくなってもう消すこともできない)に掲載している作品の修正版を掲載しております。 高校の時は文芸部に入っていたけれど、そこから二十年以上経過した今、四十になってまだこうやって友人とキャッキャとサークル活動できるっていうのは幸せなものです。 で、ここ

        • 六人目の旅人と、本日の夜ごはん。

           父方の祖母(99)。  母方の祖父(92)。  前職の上司(70代)。  父方の伯父(80)。  母方の祖母(96)。  今まで、私が顔を合わせ会話をした人の中で、亡くなったことを私が認識 しているのは、この五人だった。  先週そこに、新たに一人、加わった。  三年前に会社から転職した、元同僚の女性、二十八歳。  癌で闘病していたのは、本人のSNSで知っていた。子宮の全摘出を受けたことを読んだ時は胸が詰まったが、「“若い女性なのに全摘出は云々”とか言わない主治医でよかった

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        記事

          紅く輝く白鳥である。(映画『ミッドナイトスワン』を観て)

           ジャニーズというのは綺麗な顔の男の子を集めた事務所なので、ロングのウィッグひとつかぶせただけで即、そこらの一般女子より美少女になってしまうような少年たちがわらわらいる。元同僚に限っても、中居君がスマスマでやってた「計算マコちゃん」とか普通に可愛かったし、キムタクだってこれとか、だいぶ綺麗な女性に見える。  そんな中で、草彅剛は明確に「男顔」だ。がつんと出た頬骨に尖った鼻、鋭い目。  まあ、女性の体で生まれた人、その中で美人と呼ばれる人の中にも男顔の人はいますし(冨永愛と草

          紅く輝く白鳥である。(映画『ミッドナイトスワン』を観て)

          マナーを守って品性を捨てる。――内祝いの矛盾――

           先日、結婚したので、周囲の何人かから内祝いを頂きました。  職場の方から手渡しで頂いたのですが、もたもたしているうちにリモートワークになって顔を合わせる機会を失い、これはよろしくない、と慌てて返礼品(内祝い)を探しに行きました。  しかし、この名目でお祝いを頂くのは初めてだったので、お返しはどう選べばよいものなのかわからず、手軽な指針としてググり、それに従って目星をつけている最中に、気づきました。  これ、すっごい失礼だな、って。  だってね。  「内祝い 選び方」って

          マナーを守って品性を捨てる。――内祝いの矛盾――

          バージンロードが嫌いだ!(と大声で言う)

           バージンロード、という習慣がしっくり来ないなー、と思い始めたのが、いつごろだったかは憶えていませんが。 ・新婦だけが …………………………………………① ・父親だけに連れられて歩き  ………………② ・一人で待つ新郎に引き渡される…………③ ①どうして新婦だけが親の付き添いが必要なの? 新郎は誰の助けも借りずに一人で育ってきたの? ②どうして父親だけが新婦を連れて歩くの? 母親だって新婦を育ててきたのに? ③新婦が「父親から新郎にバトンタッチ」これ必要? 売買なの? ド

          バージンロードが嫌いだ!(と大声で言う)

          【100文字ドラマ】わたしたち家族です。

          一見、家族に見えるが実は血縁のない A男75歳(大家) B女46歳(Aの専属看護師) C女62歳(Bの先輩) D女12歳(Cの亡夫の連れ子の子) E男52歳(Aの元部下) F男23歳(近所のパン屋見習い) の6人の日々の物語。 (106文字)

          【100文字ドラマ】わたしたち家族です。

          【100文字ドラマ】機械の体はまだ来ない

          定期健康診断で「要再検査」の通知を受けた面々が、高血圧、肥満、尿酸値、ガンマGTPなど、それぞれの体調不良を改善するために、健康オタクの下っ端バイトの指導のもと、働きながら楽しくできる健康法を模索していく。

          【100文字ドラマ】機械の体はまだ来ない

          【100文字ドラマ】有給休暇

          有給休暇取得の際、理由欄は一律「私用」と書けばいい。しかし過ごし方は一律ではない。難病に罹った不倫相手の見舞い、親友が被告席に座る裁判の傍聴、空いているカフェで店員のストーカー……それぞれの「私用」を追う。 (103文字)

          【100文字ドラマ】有給休暇

          【100文字ドラマ】Dear giver,

          精子バンクを利用して産んだ息子の、自分にはない美点に支えられ励まされ毎日を生きる女性。彼にその美点を与えた遺伝子の持ち主に興味を持ち、提供者を探すことに決めた。やがて現れた、息子と同じ耳の形をした男に…… (102文字)

          【100文字ドラマ】Dear giver,

          「君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる」のか?(映画『新聞記者』を観て)

          ※注:ネタバレあり  映画『新聞記者』を観てきました。  https://shimbunkisha.jp/  東京新聞の記者、望月衣塑子さんの著書を「原案」として作られたオリジナルストーリー、ですが、実際の事件を彷彿とさせる(というかほぼそのままの)エピソードが入っているなど、ただのフィクションではないということはしっかり伝わってきます。  ですが、ここで現実の政情と絡めて本作を語れるほど私にリテラシーがないのと、そして何より、エンタメ作品として私に刺さるポイントがあった

          「君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる」のか?(映画『新聞記者』を観て)

          女王陛下に敬礼!(映画『実写版 アラジン』を観て)

          ※アニメ版との差異をネタバレしています ※吹き替え版で鑑賞しています&メモ取っていないので台詞は正確ではありません  最近、仕事が立て込んでいてぐったりしていたので、現実逃避がしたくて、半休取って観てきました。  ディズニーアニメの実写映画化は『美女と野獣』の例を思えばクオリティには十分期待できるし、アニメの方で大筋は知ってるから厳密にストーリー追わなくても楽しめるし、逃避には最適!ということで。  アニメ版のアラジン声優は、今はもう再起用はありえなくなっちゃった羽賀研二だ

          女王陛下に敬礼!(映画『実写版 アラジン』を観て)

          STAND BY ME 冴羽リョウ。

           新宿の種馬に心臓打ち抜かれてきました。  ……『劇場版 CITY HUNTER 新宿PRIVATE EYES』鑑賞してきました。  記憶が新鮮なうちに一通りががっと書いておきます。  あ、ネタバレ配慮とか一切しません。ていうかネタバレがどうとかいう話じゃないので、未見で読んでも全然問題ないです。 ・オープニングからもう冴羽リョウ(けものへんに寮)かっこよすぎ。いやもう……かっこよすぎ! それ以外に言葉が出てこない! さあこれからあなたの観たいものを存分にお見せしますよ~

          STAND BY ME 冴羽リョウ。

          嫌いな相手のいいところ。

           知人にすすめられて読んだ『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』が面白かったのをきっかけに、米原万里さんのエッセイを立て続けに読んでいます。  タイトルだけは前から知っていた『不実な美女か貞淑な醜女か』はやっぱり面白かったです。『ヒトのオスは飼わないの?』からの『終生ヒトのオスは飼わず』は、米原さんと彼女の毛深い家族たちを思って、ほろっと来てしまいました。唯一(多分)のフィクション『オリガ・モリソヴナの反語法』は最後にとっておいているので、読むときが楽しみです。  で、今読んで

          嫌いな相手のいいところ。

          まだ観ていない人のために『カメラを止めるな!』鑑賞前の注意事項

          ・グロテスクゾンビものを観に行く気持ちでいてください。グロテスクゾンビものを観たことがないお友達を誘ってもいいと思います。 ・前半、違和感を感じる点がいくつか出てきますが、後でちゃんと伏線回収されるので、不満に思わず、その違和感を憶えておいてください。 ・カメラワークがかなり激しいシーンが続くところがあります。三半規管の弱い人は無理せず、ストーリーを追える範囲で適度に視線を逸らすなど、体調管理にご注意ください(私は軽く酔いました)。 ・ネタバレしないで観るにこしたことは

          まだ観ていない人のために『カメラを止めるな!』鑑賞前の注意事項