STAND BY ME 冴羽リョウ。
新宿の種馬に心臓打ち抜かれてきました。
……『劇場版 CITY HUNTER 新宿PRIVATE EYES』鑑賞してきました。
記憶が新鮮なうちに一通りががっと書いておきます。
あ、ネタバレ配慮とか一切しません。ていうかネタバレがどうとかいう話じゃないので、未見で読んでも全然問題ないです。
・オープニングからもう冴羽リョウ(けものへんに寮)かっこよすぎ。いやもう……かっこよすぎ! それ以外に言葉が出てこない! さあこれからあなたの観たいものを存分にお見せしますよ~という宣言のようなオープニング! ああもうかっこいい……。
・映画化と聞いたときから気になっていた「新宿駅の掲示板」問題。ちょこっと検索してみたところ、昔は本当に伝言用の掲示板が設置されていたものの、週刊少年ジャンプでの連載開始時にはすでに存在しなかった(作者・北条司が「掲示板がない」ことを確認して掲示板の設定にした)という話が出てきました。前に「連載当時は掲示板に『XYZ』という書き込みが頻発した」という話も聞いた気がするのですが、どっちなんですかね。
まあ、それはさておき掲示板ですよ。少なくとも2019年現在に掲示板が現役でないのは確かなので、どう処理するのかなー、時代設定を掲示板が現役の頃にするのか、現代にして別の依頼方法にするのか――
――なるほどねー! やっぱり掲示板っぽい見た目であることは大事だよね! しかしスマホアプリ……さすが現代。しかもこれだとアプリダウンロードユーザーを顧客リストとして保存することが可能なのでは、ふふふ。アプリは誰が作ったのかしら、やっぱり教授?
・分かってましたが見事な30overホイホイで、往年のシティーハンターファンがキャッキャしながら鑑賞するに値する出来! リョウのかーーっこいい悪者撃退シーンの直後の「もっこりー!」に香のハンマー(1発目のハンマーには「劇場公開記念 2019t」と書いてあるあたりさすが)、事務所兼住居に仕掛けられた大量のトラップ、夜這い失敗して簀巻きにされるリョウ、セクシー冴子の太ももに仕込んだ投げナイフ、美樹を助けて抱きつかれて照れて真っ赤になる海坊主、破壊される喫茶キャッツアイ、どころか本物のキャッツアイ・来生三姉妹までも登場。
なるほど、つまりこれは『STAND BY ME ドラえもん』と同じジャンルの商品なんだな。
ストーリーの穴とかつながりとかじゃなくて、観たいシーン、会いたいキャラクターの詰め合わせ! テレビシリーズの歴代主題歌まで次々とお披露目してくれて、ラストは静止画からの『Get Wild』……古典落語級の安心感!
あ、『STILL LOVE HER (失われた風景)』も好きなので、これも続けてかけてくれて嬉しかったです。
・ウェディングドレス姿の香に対して「いつもと同じだろ」発言のリョウ。登場人物の女性たちは「サイテー!」と罵りますが、スクリーンのこちら側ではちゃんとリョウの本心をくみ取ってニヤニヤ。
少年漫画にたまに、すごくポイント高い口説き文句出てきますよね。私、同じジャンプ作品『幽遊白書』が好きだったんですが、あれの最終刊で、主人公・幽助の屋台のラーメンを食べたヒロイン・螢子が何の気なしに漏らした「そういえば幽助の作るもの初めて食べた」という一言に「こんなもんで良けりゃ毎日作ってやるよ」って返すシーンに「すごい殺傷力高い発言したなおい」と思ってびっくりした記憶がある(笑)。少女漫画の口説き文句にここまで殺傷力を感じた記憶がないんですよね。モノローグとかは詩的でいいの多いような気がするのですが。
基本的には男性を想定ユーザーとしているはずの少年漫画なのに、これはいったい何なのかしら。
・声と年齢設定について。
リョウの声、神谷明さんは御年72歳、さすがにちょっと以前との差はありましたが、それでも老け声ではなかった(と思う。少なくとも私の耳では違和感を感じるほどではなかった)。まあ、リョウは私の中で常に「自分より年上の、大人の男」なので、少々老け声でも受け入れられてしまうというのもあるかもしれない。
香の声、伊倉一恵さんの方が声の変化なかったように思う。59歳であの変化なしぶりはすごい。まあ私がそんなに耳のいい方じゃないので、細かな差ならスルーしてしまったと思いますが。
しかし、その私でも気になった声が。
……山寺宏一(ゲストキャラクターであり今回の悪役・御国真司役)の声、26歳には聞こえなかったわ。
いや美声なのはわかるよ。いい声だと思うよ。でも26歳じゃない……26歳にしては渋すぎる。35~6歳くらいでも十分「若手実業家」だし、実年齢57歳でそれでも十分すごいんだから、それくらいの設定にすればよかったのに!
香の幼なじみという設定にしたからあんまり年齢を離せないというのもあるのかもだけど、だとしたらその香の年齢についても思うところがありますよ。
香って、年齢じゃなくて生年月日が決まってるんだよね。連載当時に20歳~くらいにするために「1965年生まれ」ってなってるの。だからそのまま換算すると今年54歳なので、そこに忠実になる必要はもちろんないのですが。
今回のゲストヒロイン・進藤亜衣の声を担当するのは女優の飯豊まりえ21歳。キャラクターとほぼ同い年。さっき「香の声は老けてない」と言いましたが、リアル21歳の声と比べればやっぱり大分年上なのよ。だから進藤亜衣が21歳なら、香は31、2歳くらいでちょうどいい感じ。
原作では曲がりなりにも「少年」ジャンプのヒロインなので、メイン読者が「おねえさん」と認識するであろう年齢が上限になるのは分かりますが、今回のこの映画はどうせ30代以上が対象なんだから、香が30代だったとしたって「ヒロインがおばさんじゃあ興ざめ」とかいう意見は出ないんだって! 香が32歳、御国が35歳、リョウは永遠の二十歳(笑)でいいのに!
あ、キャッツアイ来生三姉妹のうち上二人ともの声を戸田恵子さんが担当されてたのにびっくり。今調べたら、テレビシリーズでは瞳のみを担当されてたようですが、泪役の藤田淑子さん、昨年お亡くなりになってるんですね。だからといって二人やっちゃうってすごいわ。
……と、まあいろいろ書きましたが、すこぶる満足する鑑賞体験だったということだけは断言しておきます。気温の変化と仕事の忙しさで最近少々だるかったのですが、すばらしいカンフル剤になりました。
これこそ応援上映したいわ。「リョウちゃんかっこいいー!!」とか叫びながら観たら、さぞ楽しかったことだろう。