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30代でも詐欺に遭うから、まじでみんな気をつけろ

あなたは、このようなメールを受け取ったことはあるだろうか。

これはすべて私のYahooメールアドレスに届いたもの。
いわゆる、詐欺メールである。

私は三井住友カードを所持していないので、「あぁはいはい迷惑メールね」とすぐに脳内処理できた。


「来たことあるけど無視してるよ」
「こんなの引っかかるわけないもん」

私もつい数週間前までそう思っていた。

でも、もしそれが自分の愛用しているカード会社を謳っていたら?
メールの内容が、偶然心当たりのある文面だったら?
「引っかかるわけがない」と思っていた自分の違和感レーダーが、不運にも働かなかったら?


これは、先週日曜日に実際に起こった詐欺被害の話である……



「お姉ちゃん詐欺にひっかかったかも」


テイクアウトしたマックに舌鼓を打った昼下がり。
東京から姪を連れ、埼玉の我が家へ遊びに来た姉が放ったこの一言。
その声色に緊張感を感じ、気になって視線を送る。

「え、まじ?」

「うん、多分……ちょっとカード会社に電話してもいい?」


……え、まさかそんな。

7歳の姪と2歳の息子が室内で奇声をあげながら紙飛行機を飛ばしているカオスな空間に、もう一つカオスが生まれている。
しかも結構怖いやつ。

「え、いやいやちょっと待ってどういうこと?」

姉の持つスマホの画面を見ると、「〜〜電力」とかたるSMSが。
電気料金が支払われていないので、すぐに支払うようにという文言の下に、誘導するかのようにURLが示されている。

話を聞くと、姉はそのリンクに入ってしまい、支払いのためにクレジットカード番号や名義、有効期限、更には決済のための番号まで入力してしまったというのである。

30代で、詐欺被害に遭うなんて……?


悪い冗談だと思った。
いくらふわふわしている姉でも、詐欺被害を回避する能力はあるだろって。
自分のことじゃないのに、だんだん怖くなって心臓が冷えていく。

まず、電気料金の請求なんて普通SMSで来ないでしょう。
それに姉家族の電気料金は、姉夫が支払担当になっているそう。
仮に姉夫が払い忘れていたとして、姉に請求が来る流れになるのか……?世の中って、そうなのか……?

「◯◯(姉夫の名前)結構ウッカリしてるところあるから、急いで払わなきゃと思って……」

いや、そうかもしれないけど。
わかんないかねぇ?

そもそもどうやって気づいたの?


まんまとカード情報を入力してしまった姉。
でもそれが詐欺なのだと、どうやって気づいたのか?

どうやら、クレジットカードの設定で【海外送金防止】の機能をオンにしていたらしく、詐欺被害の後すぐにクレカのアプリから「海外ショッピングで不明の引き落としがありました」と通知が来て気づいたらしい。

自分がうっかり者だと自覚していたがゆえ、万一のために講じていた自衛の策により一命を取り留めた、ということだった。

とはいえ、つい先ほど入力してしまった情報はどこの馬の骨とも知らない悪党どもの手中に入ってしまったことには変わりない。

妹の家で楽しい休日を過ごす予定だった姉は、速攻クレカの再発行手続きをし、サービスセンターに電話をかけて事情説明。
日曜日だったからかなかなか電話が繋がらず、1時間半ほど対応に追われ、その間ずっと肝を冷やし続けることに。

さらに恐ろしいのは、サービスセンターで判明した新事実。
実はその前日も、別件の詐欺攻撃が行われていた履歴があったというのだ。

「そういえば……」
前日、4歳の息子(私にとっては甥)が海外ゲームアプリをやりたいとせびり、そこまで高価でなかったので購入していたのだという。
きっとそこから情報が漏れたのだろうと。

何それこええええええええ……!!!!!

姉が詐欺被害に遭ってしまった要因と再発防止策


私が思うに、姉が詐欺に気づけなかった要因は3つある。

・「あり得るかも」と思い込んでしまった

姉の夫なら、料金を支払い忘れかねないと思い込み、他の違和感に気づくためのアンテナを切ってしまった。
どんな場合であれ、普段と違うメールや電話が来たら、鵜呑みにせずまず詐欺の可能性を考えるのが被害を回避する1番の対策だろう。

・メールの送り主のアドレスをチェックしなかった

未登録の電話番号からの着信は、電話に出ずにインターネットで検索する。
身に覚えのないメールは、アドレスを検索したり、「@」以降を確認する。
詐欺の可能性を念頭に置いたうえで、次に行うべき具体策はこれである。

・怪しい連絡が来始めた段階で、電話番号・メールアドレス・パスワードを変えなかった

現代人は、メールアドレスや電話番号に対する危機意識がだいぶ薄れているような気がする(私も含め)。
でも結局のところ、流出している個人情報を断絶しなければ、根本的なリスク回避にならない!

メールアドレスの変更によって、ショッピングサイトの棚卸しもできて、いらない受信メールも減って全体的なQOLも底上げされる気がする。
私も自衛のために、今月をもって長年愛用してきたメールアドレスと別れを告げるつもりだ。


インターネット詐欺に引っかかるのは高齢者、どんなに若くても親世代くらいだと思っていた。

しかし、姉は34歳。
私と2歳しか年が離れていない、バリバリの子育て世代だ。
大学生からスマホを愛用しており、当然のように使いこなしている。

ただ、それゆえに油断が生まれるのも事実。

私自身、正直言うとまだどこかで「いやいや私は大丈夫でしょ」と思っている節がある。
でもそんな過信があるうちは、いつ知らぬうちに足を踏み外してしまうかわからないとも感じるようになった。


もう一度聞こう。
あなたは、このようなメールを受け取ったことはあるだろうか。


(ちなみに私はイオンカードも所持していない……)

思い立ったが吉日。
取り返しのつかなくなる前に、気を引き締めて詐欺対策をしませんか?

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