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5年ぶりのマラソンをどう走るか

5年ぶりにマラソンにエントリーしました。今年8月の北海道マラソン。10年ほど前に出て、マラソンの厳しさと楽しさを知ったレースです。

マラソン向けのトレーニングは5年以上してないのですが、今回またやってみようと思っています。

継続的にジョグ中心に走ってはいたものの、マラソンのトレーニングは別物。そして5つ年を取りました。体力の自然劣化はあります。

エントリーしてはみたものの、目標をどこに置くか、どう走るかを考えてます。

サブスリーをしていた頃の練習を今自分ができるとは思えない。5年のブランクを加味すればなおさら。時間・体力、気力に、そこまでコミットはできない気がします。自己ベストやサブxxという称号は、少なくとも今回は、難しそうです。

じゃあどうしようか、を考えていたときに、いくつか思い浮かんがことがありました。

私のようにマラソンを久しぶりに走る方々のご参考になるかも、と思い書いてます。

1:金哲彦さんの言葉

ランニングコーチの金さんとはご縁があり何度かお話しさせてもらっています。金さん自身も大学・実業団でアスリートとしての輝かしい記録を持ちながら、今まで長く走り続けてきてます。

数年前、タイムが伸び悩んでいた時に相談したことがあります。

(私)「年齢も考えると、この先もう記録は難しいのかなと思ってるんですが」

(金さん)「年齢なりの走り方をすればいいんですよ。みんな歳は取っていくのだから。そのときどきの目標を持てることが大事だと思います。」

当時、サブスリーを達成したもののその後の記録が思うように伸びない停滞期でした。初めて経験する記録の踊り場に気持ち的にも萎えていたのですが、これを聞いて「そういう考え方もあるんだ」と感じたのを覚えてます。

今考えるととても自然な考え方なんですが、記録がバンバン出てきる時はなかなかこういう視点には立てません。

そして今はこの考え方は大事なのだとわかります。

記録という数字は大事ですが、それだけを走る目標にしていると、いつか必ずくる下り坂で、走ることをやめてしまうかもしれません。

記録が出なくなるから止める、のは本当にもったいない。ランニングはそれだけではないと思います。

自分のその時の年齢・状況に合った目標を適切に設定できる人が、走ることを長く続けられ、楽しめる人なのだと思います。

なかなか難しそうですが、やってみる意味はありそうです。

2:Boston Qualification

日本の多くのマラソンレースはオープンに多くの人に門戸を開放してます。「当日の制限時間」はあるものの、エントリー(申込)時に記録での選別されることはありません。

一方で出場資格を制限しているものもあります。例えば別府大分毎日マラソンは最低でもマラソン3時間30分以内の記録証明がないとエントリーすらできません。それが故に市民ランナーの目標となっているレースは他にもいくつかあります。

海外に目を転じると、アメリカのボストンマラソンもそれにあたります。

World Marathon Majorsと呼ばれている世界6大マラソンの1つであり、前述の別府大分同様に、エントリーに資格記録を求められます。ただしボストンマラソンの大きな違いは、出場資格が年代別になっているという点です。

決して簡単なタイムではありませんが、年代別に設定されていることで、より多くの年代の人に長く目標にされるレースでありたい、いう想いを感じます。

「人間はみんな年をとり基礎体力は衰えていくけれど、重ねた努力の分量は、全ての年代で評価されるべき」という考え方があるのかもしれません。

自分自身もいつか出たいレースですし、日本でもこういうレースが増えてほしいと思います。

3、Holistic (全体的)に自己を成長させる

最近読んだ「ほんとうのランニング」という本で以下の言葉があります。

運動競技では昔から総合的な能力が試されてきたが、将来的にはコーチも教師も選手たちも、最も優れたアスリートやチームとはHolistic(全体的)に自己を成長させる完全な人々だと強く意識するようになるだろう。

ほんとうのランニング

ここでいう全体的は(肉体面に対する)精神面のことを主に指しています。

(ここからは私の解釈です)我々市民ランナーも、ある目標を設定しそれに向かっていくことで、Holistic(全体的)に自己を成長させることはできるのでないでしょうか。

レースの結果・記録は人それぞれですが、そこに向かうプロセス(過程)こそがより大事だと思います。

目標に向かっていく過程で、自分はどれだけ頑張れたか、思うように練習できたか、自分の規律に従えたか、仲間と切磋琢磨できたか、など。

その過程では、生活の質全体も変わるでしょう。
起きる時間、寝る時間、食べるもの、飲むもの、気持ちの管理、など。
これらは、普通の暮らしの中ではなかなか起きない変化です。

マラソンという目標に向かって走ることで、自分が変わっていくというプロセス。それが今、マラソンという目標に向かう、1つの大きな意味なのではないかと思います。

結果ばかりが求められがちな現代ですが、プロセスに価値を見出すことも再び大事になっていくような気がします。

そんな感じで、8月の北海道に向けて頑張っていこうと思います。


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小池 中人/Nakato Koike
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