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【第10回】本音の転職理由は「人間関係」 

転職希望者に、「なぜ転職したいのか」その理由を聞くと、実に様々な答えが返ってきます。

最も一般的なのは、「更なるキャリアアップを目指して」「もっとやりがいのある仕事にチャレンジしたい」といった前向きな理由です。

次に多いのが、「会社の業績が悪く、将来的に不安」「社風が合わない」「給料が安い」「なかなか昇格しない」「休みが少ない」など、現状に対する不満です。

「人事異動で違う仕事に就いたけど、肌に合わず、前の仕事に戻りたい」など、従来への回帰的な理由もあります。

最近では、「家庭の事情でやむなく」といった理由も、増えています。いずれも、各自が直面している環境を反映した、切実な理由ではないかと思います。

然るに、もっと掘り下げて聞いていくと、往々にして「隠れた理由」が潜んでいます。

それは「上司と合わない」や「職場の人とうまくいかない」などに象徴される、社内の人間関係にまつわる理由です。

あくまでも個人的な感触ですが、年齢や性別、職種を問わず転職理由の多くが最終的に「人間関係」にたどり着きます。

本音の転職理由は、突き詰めると「上司との相性」や「職場での人間関係」に起因するといっても過言ではありません。 
 
特に、上司に関わる問題は深刻です。相性次第では冷遇され、精神衛生上も決してよろしくありません。できるだけ速やかな場替えが必要です。

最も手っ取り早い方法は、一旦社内異動で切り抜けることです。しかし、その可能性がない(若しくは少ない)のであれば、転職も大切な選択肢となり得ます。

セクハラやパワハラ、体罰に至っては論外です。まさに「のっぴきならない」緊急事態であると言えます。

最近では、コンプライアンスに関する相談や、内部通報を受けつける「相談窓口」が社内(若しくは社外)に設置されるようになりました。

そういう意味では、法的な側面から見ても、かなり前進したのではないでしょうか(きちっと運営されていれば、の話ですが)。

しかし、内容が内容だけに躊躇(ちゅうちょ)して、精神的に追い込まれてしまうなど、一筋縄ではいかないケースも想定されます。その場合は、何としても、自身の安全確保を最優先させなければなりません。

もし状況が思うように改善しないようであれば、現職に「見切りをつける」決断を下す必要があります。

あくまでも状況次第ではありますが、「転職」は、直面する由々しき問題を解決する「有力な手段」となり得るのです。

  次回につづく(毎週月曜日若しくはや曜日に投稿予定)

(本文は、弊著『四十歳を過ぎて初めて転職の二文字が頭をよぎったら読む本』<ブイツーソリューション>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)

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