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【第31回】転職先が決まらない時には理由(わけ)がある

会社を退職してから離職期間が長くなってしまう場合、そこにはいくつかの理由が潜在します。

まずは、「少しのんびりしたい」とか、「ちょっとだけゆっくりしたい」といった気持ちが優先して、転職活動を遅らせてしまうことです。

「未消化の有給休暇を使って、気晴らし旅行にでも」というのであれば、まだ許容の範囲なのかもしれません。

しかし、転職は「ご縁」と「タイミング」です。すぐに活動していれば巡り会えたはずの求人にも、出会うことはありません。

また、そのような求人が、将来的に出てくる保証もありません(特に年を重ねてからは顕著です)。

何か特別な事情があって「長期戦を覚悟する」のであればまだしも、そうでない限り、「空白期間」を設けることは極力避けるべきです。

もうひとつは、「転職先に対する拘り」です。会社の規模やイメージ、職責、年収などへの拘(こだわ)りが強いと、応募できる求人の数が減ってしまいます。

年収が半分になるなど、希望とあまりにもかけ離れていれば話は別ですが、多少の違いであれば、積極的にアプローチしたほうが得策です。

離職してからの転職活動は、あくまでも「短期決戦」が基本です。意識して希望を「ゆるめ」に設定しておけば、可能性は飛躍的に広がることになります。

「この業界は、もうこりごりです」とか、「もう少し社員数が多くないとね」は、離職したばかりの方からよく聞く話でもあります。

しかし、同じ業界や同じ規模の会社でも、中身は千差万別です。本当に自分に「合うかどうか」は、実際にその会社で働いてみないと分かりません。

「知人に聞いたところ、あまりにも評判が悪いので応募は控えます」という話も、たまにあります。

知人がどういう人なのかは別にして、他人の意見をそのまま「丸のみ」にするのも「もったいない」ことです。

なぜなら、その評判は、あくまでも知人の感想であって、本人にとっては「違う」場合もありうるからです。

会社や職場の良し悪しは、しょせん「比較論」です。他人にとって「最悪」の会社が、本人にとって「最良」の会社となるケースもあったりします。

であれば、紹介のあった求人を「チャンス」と捉え、チャレンジしてみてもいいのではないでしょうか。

面接に進み、自らの触覚で「評判通り」か「否か」を確認してからでも決して遅くはないでしょう(面接が入るかどうかさえ分からないのですから)。

たとえ面接に落ちたとしても、「いい練習になった」と前向きに受け止め、躊躇なく次に進む気概が必要となるのです。

         次回につづく(毎週月曜日に投稿予定)
 
(本文は、弊著『四十歳を過ぎて初めて転職の二文字が頭をよぎったら読む本』<ブイツーソリューション>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)

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中山てつや
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