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【第15回】転職に欠かせない「実務力」

転職に必要な能力や知識、経験を総じて「転職力」と呼びます。その中で最も重要視されるのが、転職先が求めるレベルの「実務力」です。

それは、今まで培ってきた実務経験や、特定の業務に関する「熟練度」を意味するところでもあります。

言い換えると、転職力に優れた人材は、営業やマーケティング、技術、研究開発、経理、人事、総務、法務、ロジスティックス、社内情報システムなど、特定の業務分野における実務に「極めて精通している」ということになります。

「同じ会社に長年いるので、そろそろ転職力を身につけたいのですが、どうすればいいのですか?」

この質問に対する答えはたったひとつ。目の前にある業務をコツコツと継続して行い、実績を上げることです。それ以外に、適切な答えが見当たりません。

見方よっては、「コミュニケーション能力」や「自己アピール力」、「明るくて積極的な姿勢」、「リーダーシップ」や「協調性」など、業務や実務とは直接関係しない要素も考えられます。

もちろん、それらはいずれも転職力の重要なファクターであることに相違ありません。しかし、優先順位は「実務ファースト」です。

企業が求める具体的な業務が「期待通り若しくは期待以上に遂行できる」と判断されなければ、俎上にすら乗りません。

また、個人差はあると思いますが、積極性や協調性など「実務以外の要素」に感しては、ある程度は事前の「面接準備」にて対処することも可能です。

但し、性格的な面に関しては、面接官との相性などに大きく左右されるので、対応のしようがありません。

そもそも「性格」は、そう簡単に変えることができるものではありません。従って、「あまり気にしてもしょうがない」ことでもあります。

転職相談でお会いした際に、「第一印象が暗めで、話も後ろ向きなので、転職はちょっと厳しいのでは……」と感じた方が、本人の希望する求人にチャレンジして、内定を獲得してしまった例もあります。

ほかにも、「性格的にちょっと難しいのでは……」と思った候補者が、予想に反して決まっていくケースも、枚挙にいとまがありません。

そこで注目すべきは、成功した候補者の共通点です。それは、皆「特定領域」における実務経験が「極めて豊富」であるということです。

更に付け加えると、特定領域において「しっかりとした成果を挙げている」という事実です。

企業が求めるのは、何といっても即戦力人材です。自他ともに認める「実務力」なくして、転職は成功しません。

転職力を身につけるためには、与えられた担当業務を着実にこなし、少しずつでもいいので、着実に実績を積み重ねていくことが必要不可欠となります。

  次回につづく(毎週月曜日若しくは火曜日に投稿予定)
 
(本文は、弊著『四十歳を過ぎて初めて転職の二文字が頭をよぎったら読む本』<ブイツーソリューション>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)

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中山てつや
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