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【第34回】年齢の壁は「人脈」で打ち破る! 

年齢を重ねるとともに、求人の数は間違いなく減っていきます。特に50歳も後半に差しかかると、激減します。

以下は、大手企業から中堅企業に転職して、オーナー社長の片腕として活躍していた、50代半ばの元幹部との会話です。

「どうして会社をお辞めになったのですか?」

「実は、社長がズブの素人を連れてきて要職につけたんです。そしたら、そいつの意向で私が進めてきた事業が、突然中止になってしまったんです。

どうしても納得がいかないので、社長に直訴したんですが『素人』の言うことは聞いても、私の意見には耳を貸さないので、思い切って辞めました」

この方は、特殊な分野での専門的なスキルと、新規事業の立ち上げに長けていましたが、あいにく経験にマッチする求人がありません

「かなり専門的な知識をお持ちですね。誰か業界の中で、お知り合いとかいませんか?

「はい、実は先に会社を辞めて独立した仲間いて、数日前に会ったんです。少人数で新規事業を立ち上げていて、筋はいんですが戦略がないんですよ。

私ならこうするって『成功のシナリオ』がすぐに浮かんだんですけどね」

「すごいですね!いっそのこと、その会社で成功のシナリオを実現してみては?

「え?私が、ですか?」元幹部は腕を組んで、しばし考え込みます。「なるほど。そういう発想もあるんですね。参考になりました……」

それからしばらく経ってからです、「例の知人の会社を手伝うことにしました!」との連絡が入ったのは。

今の時代、歳を取ってからの転職を余儀なくされるケースもあります。その場合、効力を発揮するのが人的なつながり、つまり「人脈」です。

実際に人脈を通して、次のキャリアにつながるケースが結構あります。すぐ決まるとまではいかなくても、決まる「きっかけ」は頻繁にあります。

また、今までまったくと言っていいほど無縁だった業界のトレンドやビジネス情報に触れることもあります。内容によっては、強烈な刺激を受けます。

すると、今後進むべきキャリアの方向性や、生き方・考え方のヒントを得る「トリガー」になったりします。

幸か不幸か、離職中は「時間」もたっぷりとあります。再び仕事が始まると、時間の余裕は限られてしまうでしょう。

ここはひとつ、人脈を構築する「絶好の機会」と前向きに捉えて、ひとりでも多くの人と会ってみてもいいのではないでしょうか。

           次回につづく(毎週月曜日に投稿予定)
 
(本文は、弊著『四十歳を過ぎて初めて転職の二文字が頭をよぎったら読む本』<ブイツーソリューション>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)

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中山てつや
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