【第32回】引きこもると転職活動は長期化する
離職期間が長期化する中で、最悪の事態を招くのが「引きこもり現象」です。
引きこもりは、特にベテランの域に達した男性に多く見られます。
何よりも恐ろしいのは、本人が「引きこもっている」という事実にまったく気づいていないことです。
離職してから「約半年」が経過した、40代後半の男性とお会いした時のことです。この方は、離職する前は大手企業の管理職でした。
ところが、転職活動中にもかかわらず「負のオーラ」が漂います。髪はボサボサ、表情は落ち込んで覇気もなく、経歴からはほど遠い印象でした。
コミュニケーション能力も著しく低下しており、推測するに、完全な「引きこもり」状態にあったと思われます。
主な原因は、転職活動の「第1ラウンド」が失敗に終わった後、「待ちの姿勢」で、「受け身」のまま「部屋にこもって」過ごしたことにあります。
この方の場合、アクティブな求人が無くなった時点で、すぐさま「第2ラウンド」の活動に移行する必要がありました。
第2ラウンドまず最初にやるべきことは、すでに登録したエージェントに「活動を継続している」旨連絡を入れ、求人紹介を催促することです。
その際、希望条件の「見直し」も忘れてはなりません。転職エージェントの立場からすると、日々新たな転職希望者が登録してくるので、どうしても直近の登録者を優先してしまいがちです。
そこで、改めてリマインドを入れることで、コンサルタントの目に触れる確率が飛躍的にアップします。
当初厳格に設定した希望条件も、多少なりとも緩めに修正すると、求人紹介が増える可能性もあります。
進展がない場合は、ほかの転職エージェント(若しくは転職サイト)に登録してみてもいいでしょう。
それでも決まらないようでしたら、迷わず「第3ラウンド」に向けて邁進する必要があります。
第3ラウンドでも、やるべきことは第2ラウンドと何ら変わりはありません。エージェントへの求人紹介依頼や、希望の更なる見直しなどです。
大変ではありますが、粘り強い「精神力」と、果敢に行動する「積極性」が何よりも求められます。
なお、ひとつのラウンドの周期は約2か月です。従って、先ほどの元管理職は、すでに「第3ラウンド」も「後半」に入っていなければならなかったはずです。
次のラウンドにチャレンジする「ゴング」は、あくまでも「自らの手」で鳴らす必要がある、ということを忘れてはなりません。
次回につづく(毎週月曜日に投稿予定)
(本文は、弊著『四十歳を過ぎて初めて転職の二文字が頭をよぎったら読む本』<ブイツーソリューション>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)