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【第37回】キャリアのイメージを膨らませてみる

ライフキャリアプランを作る作業は、自分の「10年後、20年後に何をしているか」をイメージすることから始まります。

「10年後、20年後に何をしていたいか」をイメージする、と言い換えることもできます。

極めて単純な作業なのですが、真剣に考え始めると、意外と奥が深いことに気づきます。そう簡単に答えが浮かんでこないのです。

「それでいかがですか?何かいいイメージは浮かびましたか?」「それがあいにく、出てこないんですよ。あれから数ヵ月経っているんですが」

これは、以前キャリア相談を受けた、グローバル企業で活躍する40代も後半に差し掛かった方との会話です。

「自身のライフキャリアプランを作ってみたら?」とアドバイスしたのですが、再会してみると、まだイメージできていないようです。

「それではもう一度確認してみましょう。今まで仕事をしてきた中で、『時が経つのを忘れて没頭したこと』、『心底ときめいたこと』、『とても心地よかったこと』などがなかったか、思い出してみましたか?」

「業務の棚卸しですね。はい、やってみたのですが、思いつかないんです。どれも代わり映えがしなくて……」

「そうですか。でも、大丈夫ですよ。そう簡単には出てこないんです。ちなみに、どれくらいの頻度で考えましたか?」

「それが、退職手続きや転職活動で、なかなか時間がとれなくて。数ヵ月前にお聞きした時に何度か考えてみたのですが、それっきりなんです」

「それでは、せっかくの機会なので、今後は頻繁に自問自答してみてください。特に紙に書いたりする必要はなく、ただ思考を繰り返すだけでいいんです。

すると、ある日突然、コンセプトめいたものがひらめきます。それも朝目覚めた時とか、休みでリラックスしている時に訪れるんです」

日々の業務に追われているとなかなか難しいのですが、「ライフキャリアプラン」にたどり着くためには、常に「自分の10年後、20年後」を意識することから始まります。

更に、「時が経つのを忘れて没頭したこと」や「心底ときめいたこと」、「とても心地よかったこと」などをフラッシュバックさせてみてもいいでしょう。 

仕事を一旦、「収入を得るための手段」という一般的な概念から「切り離してみる」と、意外と面白いアイデアが浮かぶこともあります。

ひとたび顕在化した「ライフキャリアプラン・コンセプト」は、日々のしがらみから抜け出す絶好の「ターニングポイント」になり得るのです。

         次回につづく(毎週月曜日に投稿予定)
 
(本文は、弊著『四十歳を過ぎて初めて転職の二文字が頭をよぎったら読む本』<ブイツーソリューション>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)

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中山てつや
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