見出し画像

【第23回】内定が出たら気をつけること

最終面接に合格すると「内定」が出ます。その際、特に気をつけなければならない点は「給与条件」と「入社日」です。

給与に関しては、現状より多ければ言うことありません。しかし、転職時に大幅アップするケースは極めて稀です。

現職の年収が高いと判断された場合は、「現状維持」若しくは「若干のダウン」も覚悟しなければなりません。

企業側としては、期待はするものの、「未知数の人材」にいきなり高額の給与を払うことにリスクを感じます。

そこで、入社してからの実績を見ながら「徐々に上げていく」方法を採ります。

「せっかく転職するのだから、もう少し上げたい」と、ゴネる方も中にはいます。

しかし、「給与にこだわる人は、弊社には向かない」という理由で、内定が「取り消し」となるケースもあります。

「その会社で仕事をしてみたい」と思うのであれば、年収交渉は「ほどほどにしておいたほうがよい」とも言えます。

但し、提示額があまりにも低い場合は考え物です。一般論ですが、入社後に飛び抜けた実績を挙げたとしても、年収がいきなり「大幅アップする」ケースは滅多にありません。

年収を下げた転職は、前職の年収に追いつくまでにそれなりの年月を要します。現職であれば、極端に年収を下げた転職は得策ではないでしょう。

「入社日」は、転職者にとって、もうひとつの課題となります。企業は、内定までは時間をかけるケースもあります。

しかし、一旦採用が決定すると、今度は手のひらを返したように「1日でも早い入社」を求める傾向にあります。

とは言え、内定が出た時点での入社日の確定は、結構きついかもしれません。一般論ですが、正式な内定から入社までに要する期間は「1~2ヵ月」が標準です。

従って、提示された「入社日」がその期間に該当するのであれば、余程の理由がない限り、その日を目指して「退職交渉」を進めることになります。

こちらの場合も、極端に先に延ばそうとすると「転職の意志が希薄」と受け取られて、内定取り消しになるケースもあります(実際に起きています)。極力「早めの入社」を心がけるべきでしょう。

内定を断ることも、もちろんできます。「年収」や「入社日」以外にも「業務内容」や「勤務地」「職責」などに関して、応募した時とは違った条件提示となる場合があります。

どうしても提示された内容に納得できないのであれば、「断る」という選択肢があっても不思議ではありません。

内定を「受けるか否か」の決断に当たり、是非心がけて頂きたいポイントがあります。それは、「最後は自分の意志で判断する」ということです。

相談する相手にもよりますが、特に身内からは厳しい意見が出たりします。しかし、周囲の意見に振り回されて決めると後々「後悔」しかねません。

転職は、あくまでも「自分の将来に向けて、自分の意志で決断する」という信念が重要となります。

内定が出た後にもうひとつ、是非気をつけて頂きたい点があります。それは、「直属の上司」になる方との面接がないまま内定となるケースです。

普通、上司になる方との面接は必ず入ります。常識的に考えても、当然のことではないかと思います。

しかし、ごく稀にですが、幹部クラスや人事部門との面接だけで、内定が出てしまうことがあります。

このような事態に遭遇したら、内定承諾前に上司になる方と「直接」会って、話をする機会を設ける必要があります。

すると上司との「相性」や具体的な「業務内容」など、仕事をする上で極めて重要な要素が明確になります。

もし会社が上司とのミーティングを拒否するようでしたら、「余程の事情」があると言わざるを得ません。この場合、内定は辞退したほうがよさそうです。

         次回につづく(毎週月曜日に投稿予定)
 
(本文は、弊著『四十歳を過ぎて初めて転職の二文字が頭をよぎったら読む本』<ブイツーソリューション>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)

いいなと思ったら応援しよう!

中山てつや
サポート頂けましたら、新たな書籍の制作費として使わせて頂きます。よろしくお願い致します。