
【第18回】職務経歴書は自己をアピールするプレゼンツール
転職活動をスタートさせるに当たり、欠かせないのが、直近に至るまでの「業務の棚卸」です。
具体的には、「職務経歴書」を作成することです。職務経歴書は、求人に応募する際に必須となる書類です。
企業側は、職務経歴書に記された内容を基に、書類選考を行います。従って、職務経歴書は自分を売り込む重要な手段となる訳です。
ビジネスにたとえると、得意先に自社製品やサービスを売り込むための「プレゼンテーション・ツール」に相当します。
そのでき栄えが、取引(=転職)に重大な影響を及ぼすので、綿密かつ戦略的に作り上げる必要があります。
職務経歴書を作成するに当たり、まず最初に行うのは、今までやってきた仕事をすべて洗い出すことです。
具体的には、「いつ、どこで、誰と、何を、どのようにしてきたか」を、時系列的にすべて書き出します。
次に、その内容を分かりやすくまとめます。ここで整理された内容は、今後応募していく「求人の要件」に相当することになります。
そこで、要件に合致する経験は「具体的かつ多め」に、そうでない部分は「簡略化」してまとめるのがポイントです。
たとえば、長年経理の仕事をしてきた方が、不本意ながら営業部門に異動となってしまい、経理業務に戻るべく転職を決意したとしましょう。
この場合、「直近の営業に関する業務は簡潔に、キャリアとして極めたい経理の実務は、より詳しく記入する」等です。
すでに述べた通り、職務経歴書は自分を「売り込む」ためのプレゼンツールです。ということは、プレゼン先(応募先)によって内容を見直す必要も出てきます。
そこで、求人に応募する際には募集内容をよく吟味し、企業側が求めていることを把握しなければなりません。
その上で、職務経歴書がより効果的なプレゼンツールとなるよう、微調整します。
企業が求める人材は、何といっても即戦力です。自分がいかに「即戦力」なのかを、上手にアピールできれば、書類選考は優位に進むはずです。
但し、職務経歴書を作成するにあたり、絶対に守らなければならないことが、ひとつだけあります。それは、「事実のみを記入する」ということです。
当たり前ではありますが、経験のない業務を記入することは、いかなる理由があろうとも「ご法度」です。また、在籍した社数や在籍期間も、正確に記入しなければなりません。
ちなみに、「記入する価値がない」と判断した経歴は、必ずしも職務経歴書に記入する必要はありません。
なので、今後のキャリアにとってあまり重要ではないと思われる部分は、意図的に外してしまうことも可能です。
但し、経歴上のブランクが明らかになるケースは、面接の場で詳しく聞かれるので、その対応が面倒だと思う方は、予めすべて記入することをお勧めします。
尚、記入する職歴の順番は「古い順」からでも「新しい順」でも、どちらでも構いません。
然るに、企業側は「直近」の業務内容に関心があるので、職歴は「新しい順」で記入することをお勧めします。
次回につづく(毎週月曜日に投稿予定)
(本文は、弊著『四十歳を過ぎて初めて転職の二文字が頭をよぎったら読む本』<ブイツーソリューション>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)
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