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【第30回】リストラは突然やってくる
リストラは、突如として襲ってきます。しかも、リストラに遭う対象に「明確な基準」などはありません。
なぜなら、人選は極めて「恣意的な観点」から行われるからです。その場合論理的な理由は不要であるとさえ言えます。
リストラの対象となる社員の中には、卓越した実績を上げて会社の業績に貢献している、いわゆる「優秀な人材」も含まれることがあります。
しかし、「誰かに辞めてもらわないと、会社が持たない」となれば、ある程度強引な手法も必要となってきます。
その際に決め手となるのは、直属の上司や幹部との「相性」つまり「合う、合わない」です。特に、ベテランの域に達していると、その傾向は顕著です。
突然の発表に、悔しさをにじませた同僚の姿が脳裏をかすめます。「何で俺が?」「嘘でしょ、私が?」といった心境でしょうか。
然らば、一旦「必要ない」と判断した会社に未練を残して、あれこれ画策しても、大した価値があるとは思えません。
「しょせんは好き嫌い」と割り切って次のステップに進んだ方が、精神衛生上もはるかにいいいでしょう。
退職が決まってからの転職活動には、大切な注意点があります。それは「短期決戦に挑む」ということです。
離職期間が長くなって、得をすることはありません。まずは、何としても「どこかにもぐり込む」といった感覚で、集中して活動する必要があります。
そのためには、数多くの求人を「同時進行」させながら、短期間で複数の内定を取りにいく「気概」や「意気込み」が必要となります。
離職が決まっている時の転職活動は、あくまでも「自分が最優先」です。「余計な気遣いは不要」でもあります。
「なりふり構わない」感覚で活動して、ちょうどいいくらいです。そのあたりを十分に意識して、幅広い求人にアプローチしていかなければなりません。
すると、思わぬ企業から「是非会いたい」と言ってくることがあります。この場合、多少希望と違うところがあっても、面接に行ってみる価値は大いにあります。
たとえ、如何に情報をかき集めたとしても、面接に行かないと分からないことがたくさんあります。
であるならば、物は試しに会ってみて、会社の近況や仕事の内容、面接官との相性等を肌で感じてみる価値はあります。
何と言っても、人生における非常事態です。面接の場で話を聞いた上で、判断をするくらいの「したたかさ」があってもいいのではないかと思います。
次回につづく(毎週月曜日に投稿予定)
(本文は、弊著『四十歳を過ぎて初めて転職の二文字が頭をよぎったら読む本』<ブイツーソリューション>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)
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