【第28回】転職したら、入る前と話が違う!
「転職したら、入る前と話が違っていた……」この話は、転職相談でお会いする方からよく聞きます。
実際、短期間で再び転職活動に入る方の多くは、このケースです(本人が明言しない場合もありますが、おそらくこのパターンが多いと推測されます)。
では、いったい何の話が「違った」のでしょうか。
まずは、「仕事の内容」です。応募する際に確認した求人票の中身は、企業側の諸事情によって、入社後に微調整されることがあります。
多くは実務に影響のないレベルですが、経営環境の状況次第では、大きな変更となるケースも否定できません。
面接の段階で分かっている時もありますが、面接官があえて説明しないこともあります。この場合は、ある意味、不可抗力と言わざるを得ません。
もうひとつは、「上司との相性」です。直属の上司となる方とは面接の際に会っているので、ある程度は予測できます。
その時の印象は、入社を決める重要なファクターとなります。ところが、入社してみると「別人」と化すタイプがいるので、とてつもなく厄介です。
面接の時にはとても誠実で、さわやかなイメージだった上司が、入社してみると「実に横柄で、上から目線の、胡散臭い人物だった」ということもあります。
「職場環境」に関しても、同様のケースがあります。社員が自由闊達に仕事をしていると感じて入社したら、「限りなくブラックに近い職場環境だった」なんてこともあります。
昨今は「リモートワーク環境整備」や「快適なワークライフバランス」などをアピールをする会社も増えてきました。
しかし、会社によっては、いい人材を引きつけるための「キャッチフレーズ」として、過度に表現していることも考えられます。
たとえ入社した部署が「リモート環境」だったとしても、中には対象外の部署があるかもしれません。
従って、仕事を円滑に進めるためには、実際に出社せざるを得ないこともあるかと思います(これくらいは許容の範囲でしょうか)。
「ワークライフバランス」も、入社していきなり実現できる保証はありません。むしろ、当初は新しい会社の業務に早くキャッチアップすべく、フル回転する必要があります。
下手をすると「前の会社のほうが、余程バランスがとれてた」なんてことがあるかもしれません(しょせんは比較論です)。
いずれのテーマに関しても、基本はひとつ。新しい会社の職場環境や人間関係、業務の進め方などに慣れてから、少しずつ進めることです。
次回につづく(毎週月曜日に投稿予定)
(本文は、弊著『四十歳を過ぎて初めて転職の二文字が頭をよぎったら読む本』<ブイツーソリューション>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)