2019年 95冊目『死ぬ瞬間』
エッセンシャルマネジメントスクールの田口 ランディさんの講義で紹介頂いた本です。
著者のエリザベス・キューブラ・ロスさんが、末期患者の「死とその過程」セミナーを開き、患者が医療、医療者に求めている事を明らかにするまで、末期患者はモノのように扱われていました。
たった50年ほど前の話です。
しかも当初は、彼女たちの活動は、死体を漁るハゲタカとまで言われていたのです。
そのような言葉に負けずに、彼女が終末医療や終末医療に関する必要事項を医療者への教育として体系立てる学問の礎を作りだしたのです。
方法は、対話です。
末期患者を1人の人間として見直すことを目的として、医療関係者が集まる場所に、セミナーの講師のような立場で呼んで、対話をしたのです。
聞き手は、彼女の他、牧師や医師が担います。
これらを通じて、末期患者は、5つの段階を経ることが分かりました。
1 否認と孤立
2 怒り
3 取引
4 抑鬱
5 受容
対話をするのは、末期患者だけではありません。
その家族とも行います。
様々な話が載っています。
共通するのは、末期患者は、医者から告知を受けていなくても、かなり正確に自分が末期患者であることを知っているようなのです。
しかし、上記の1から5は、当然ですがかなり大きな違いがあります。
特に当初の1,2の段階では、周囲に対しての態度が大きく変わるケースがあります。
穏やかな性格であった人が攻撃的であったりします。
その結果、家族が疲弊する話も出てきます。
当然ですね。
宗教を信じられると、強いのだなって感じられる事例も出てきます。
家族との関係が良いと穏やかに過ごせるのだなという事例も出てきます。
また、死を受入れない事で、残された時間を大事に過ごせない事例も出てきます。
家族が最後まで死ぬことを認めず、本人がつらい思いをする事例も出てきます。
冒頭にも書きましたが、当初は(あるいは最後まで)医者は非協力的だったそうです。
自分の対応のあら捜しをされるように感じたからのようです。
自分や家族の死について
前向きに考えるきっかけになる本だと思います。
450ページあり、読むのに8時間以上かけました。
1週間かかりました。
でも、十分に読む価値のある本です。
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