2023年 74冊目『創始者たち』
イーロン・マスク、ピーター・ティールと世界一のリスクテイカーたちの薄氷の伝説。
600Pを超える大作ですが、一気読みしました。
今から25年ほど前の1999年の話です。
マスクが始めた会社X.comとティールとレヴェチンが始めたコンフィニティーは、偶然シリコンバレーの同じビルの隣どうしのオフィスにいたのです。
マスクは既に1社をバイアウトした経験があり、10億円以上の資産を持っていました。
当初の両社のビジネスモデルは違っていたのですが、メールで決済ができるビジネスにたどり着き、激しい衝突を繰り返すのです。
このままでは両社は共倒れになります。
やがてペイパルという1つの会社に融合します。
当時のペイパルは、イーベイの決済経由の売上が大半でした。
ペイパルは、イーベイと血みどろの戦いを続けます。
イーベイは自社決済システムを強化しますが、ペイパルのシェアを落とすことができません。
この戦いの過程でマスクは、2つのサービスの開発をウインドウズに統一しようとします。
この方針や決め方が波紋を呼び、マスクはCEOを退任します。
その時のマスクの対応が素晴らしい!
そしてティールがCEOになります。
※マスクは最大の個人株主を続けます。
イーベイは何度もペイパルをMAしようとしますが、値段も合わずうまくいきません。
とうとうペイパルは、イーベイでのパワーセラーの高評価を背景に上場を果たします。
その後、イーベイはペイパルを5度目の正直でMAします。
ティールなどはイーベイを去ります。
その後、再度ペイパルは別会社になり、再上場を果たします。
この数年を経験した人たちが多くの企業を立ち上げたので、彼らの事をペイパル・マフィアと呼ぶのです。
リンクトイン、ヤマー、youtubeなどなどです。
最後にペイパルマフィアの写真を見て、更生して大成功した終身刑の若者2名の話が載っています。
メインの話には関係ないのですが、これも素晴らしかったですね。
ペイパルマフィア、言葉はもちろん知っていましたが、こんな話だったのだと理解が深まりました。
アメリカンドリームってあるんですね。
彼らの大半は外国人なのです。
アメリカに行ってチャンスをつかんだのです。
この3つが日本と違うなって思いました。
1つは、彼らは複数の学問を大学院で学んでいて、それをビジネスに活用しています。
2つは、彼らは若い。20代前半で起業して、大成功しています。
⇒もちろん、それは数万社の1ですが
3つは、リターンがでかい。上場して数千億になっているので、個人が10億円規模のリターンがあります。
大昔は、アメリカも大企業に入るのが当たり前だったそうです。
シリコンバレーで成功者が増えて、俺もできると思った人が次々に起業して成功して、その人たちが投資をするというエコシステムを作ったのです。
うらやましいですね
▼前回のブックレビューです。