2018年 2冊目『住友銀行秘史』
株式会社旅工房で社外取締役をご一緒させて頂いている國重惇史さんの著書です。
住友銀行のイトマン事件についての話です。
いやー、こんなノンフィクションあるんでしょうか。
ホント、驚きです。
住友銀行時代、MOF担を経験し、当時業務渉外部部付部長であった國重さんが、自分の手帳に書かれた内容を本にしたのです。
全部、実名です。
※正確に書くと、1名だけ仮名でした。
手帳ですので、日時、氏名、内容、國重さんの意見、がきちんと残っています。
しかも、國資さん、とても筆まめなのです。
毎日、毎日、取りつかれたように書かれているのです。
さらに、國重さんの豊富なネットワークがすごいです。
日銀、監督官庁、住友銀行内、同業銀行、イトマン内、弁護士などなど。
イトマン事件時代、國重さんがもっとも情報を持っていたのです。
それらの情報をきちんと整理していたのです。
当時、一部長だったので、考えられない人脈です。
しかも、情報を持っているだけではなく、活用したのです。
理想だけでは、大銀行は、動きません。
動かすために、例えば、國重さんの正義実現のために、監督官庁に情報リークも行います。
情報やタイミングや人脈を駆使して、動かしていきます。
大銀行は簡単には動きません、しかし、徐々に、自分の信じる方向に動かしていくのです。
考えらえない実行力です。
フィクションだったら、こんな都合の良い話無いだろう!って思うような話です。
大銀行の汚いところもたくさん書かれています。
これを実名で書いたのは、本当に凄いです。
リアルな半沢直樹です。
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