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2021年 70冊目『センスメイキング』

物質的な世界を説明する手段として自然科学は都合が良い。
化学、工学、物理学の現象を説明するうえで非常に有効だ。
しかし人間を説明するのは得意ではない。

科学の世界で、人間の行動を方程式に入れたとたん、非線形になる。
たから物理学は簡単で、社会学は難しい。

偽物の抽象化の世界を追いかけていると、人間の世界を感じ取る力を完全に失う。

こんな時代だからこそ、昔からある時代遅れと思えるようなやり方に回帰すべき。

それはクリティカルシンキング。

センスメイキングの5原則
1 個人ではなく文化を
2 単なる薄いデータではなく厚いデータを
3 動物園ではなくサバンナを
4 生産ではなく創造性を
5 GPSではなく北極星を

アブダクションを使おう

・家の窓が割れている
・宝石箱がなくなっている
・家具がひっくり返っている
・服がちらかっている
→泥棒に入られた

専門家が文化的、社会的文脈に関与しながら高い技能を獲得する様子

1 初心者レベル:情報処理
文脈に依存しない身に着けたルールを実行する

2 新人レベル
経験に基づいてパターン認識できる

3 一人前レベル
最もふさわしい要素を優先して検討できるようになる
→階層構造の意思決定手順

4 中堅レベル
過去の経験の蓄積からパターン認識できる
迅速で流動的、しかも複雑な行動が可能になる

5 達人レベル
頭で考える余地はなくなる
意識せずに生活しているのと同じ

92年ソロスがブラック・ウエンズデーで大儲けできたのは反証可能性

自分の正しさを証明するのではなく、いかに誤りがあるかを証明する
その時に必要なのが経験、新聞記事、人々の反応などの厚いデータ
客観的知識、主観的知識、共有知識、そして五感で得られる知識を総動員

本物の会話も厚いデータ
浴びるほど飲んでいたファインランド人が、バーで景気の話をしだした
→マルカの切り下げに準備

これが会議室という動物園で見るのではなく、実際というサバンナで見る効能

正しいと真実
自然科学では正しい
実際に起きる事は真実

本人の立場、状況なら、どのような気分なのか?
本人を取り巻く世界をどのように経験しているのか?
→55歳ごろになると自分の力ではどうにもならない事があると感じる

買い物をする時に、完璧なリストを作って買い物をしているわけではない。
例えばリストは 接着剤、石鹸、『夕食』
この夕食をどうしようとかと考えながらスーパーを回っている

GPSと北極星の比喩は、データだけ使うのか、使えるものは何でも使うのか!

目利き
フランス語の元の意味は、達人(なじみがある)
ステーキの焼き具合は、アメリカでは5段階だがフランスでは9段階
レアとミディアムレアの間のア・ポワン:フランス以外では難しい

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