2015年 28冊目『ゼロからはじめる通販アカデミー』
これが通販ビジネス「勝利の方程式」だ!とあります。
丁寧に基礎から応用まで書かれている良書だと思いました。
例えば、変動率は40%以下に抑える。新規顧客の年間LTVは、本品受注単価の3倍以上を目指す。解約回避率は50%以上を死守する。この3つが冒頭に書いてあります。
通販は、すべての数字を「見え る化」できるので、それらのデータを元にKPI設定すれば良いのです。ホント、そうですね。
1章では事業計画の立て方、2章では商品開発のポイント、3章では新規顧客の獲得方法、4章は利益を生む既存顧客への育成方法、5章はウエブサイト、6章はコールセンター、7章は物流、8章は組織について取り上げています。網羅性も高いです。
著者の田村さんは、ダイレクトマーケティング界のアカデミー賞と言われる「DMA国際エコー賞2013」を受賞した方で、国内でも賞を取りまくっている方です。
各章のポイントを書いておきます。
1章 事業計画の立て方
固定費を抑える。テストマーケティング期間を作る(CPOを把握する:1件受注するために必要な販促費・広告宣伝費。)。KPIを設定する。
2章 商品開発
仕入れ品に頼らない(スケールメリットが出ない)。小ロット、低めの原価率で始める。魅力的なリード商品を開発する。その際にコンセプトシートを作る(コンセプト、アイデアの背景、ターゲット、想定競合、価格)。3S(ストーリー、新規性、差別化)が重要。
3章 新規顧客の開拓
ローコストで確実に成果が出る媒体から始める。CPOをコントロールできる媒体を選ぶ(小規模ならweb)。新規顧客を既存顧客に切り替える。これができるかどうかが、利益が出るかどうかの分かれ目。勝てる新規=効率性×「当たり」発見×拡大性。トライアルCPOは売価の3倍まで。本品CPOは売価の1倍まで。(クロスセル、定期コースなどでLTVを高められる前提)
4章 既存顧客への育成
LTVを最大化する(リピート率向上、受注単価向上)。RF分析。初回購入から3ヶ月以内に3回アプローチ。アクション指示は3つ以内。割引は2段階。それぞれ締切設定。入口で定期購入に。クロスセルはリード商品と関係性で。勝てる販促=F2(2回購入率)×定期顧客率×クロスセル率。1年間LTVは本品受注単価の3倍以上。F2転換率は35%以上。定期顧客率は50%以上。
5章 ウエブサイト
専用LP(Landing Page)で新規顧客を惹きつける。既存顧客をECサイトで深掘りする。テストと効果測定を繰り返す。CTR、PV、UU、直帰率、離脱率、CVRは最低限捕捉する。勝てるECサイト=UU×CVR×CTR×低直帰率×低離脱率
6章 コールセンター
コール数の把握で確実な席数予測。勝てる顧客対応=応答率(90%以上)×高引き上げ率(トライアルから本品:40%以上。本品から定期:80%以上)×高解約回避率は(50%以上)×低コスト(@250円〜450円)
7章 物流
トータルの配送費で比較検討する。コスト・正確性・柔軟性で選択。迷ったら送料は高めに設定する。
8章 組織
情報共有で組織にナレッジを蓄積する。全体最適の視点で協働する。KPIを公開する。人は増やしすぎない。優秀な外部ブレーンを活用する。
面白そうですよね。お勧めです。
▼前回のブックレビューです。
▼PIVOTに出演しました。よかったらご覧ください。
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