2019年 41冊目『五感経営 産廃会社の娘、逆転を語る』
エッセンシャルマネジメントスクールのどなたかが推薦されていて手に取りました。
ほんとありがとうございます。
とても良い本でした。
お父さんが創業した産廃会社石坂産業は倒産の危機でした。
同社があるエリアはたくさんの産廃の焼却炉があり、そこから出た(と言われた)ダイオキシンが野菜(本当はお茶)に影響を及ぼしたという事がマスコミに取り上げられました。
野菜農家は大きな風評被害を受けました。
その結果、大手である石坂産業は、農家から大批判を受けました。
県も移転するのであれば補助金を出すという話もありました。
多くの同業が移転を選択します。
その中で、石坂典子さんは社長をしたいと父親に申し出ます。
30歳のころです。
もともとはネイルサロンを始めたくて、その資金をためるために入ったお父さんの会社です。
しかし、自分がやらないでどうするのかと、手を挙げるのです。
売上の7割があった産廃焼却事業を止めて、建築資材リサイクル事業に特化することを決めます。
地元に求められていない事業は止めると決めたのです。
屋内で建築資材リサイクルができるプラントを作ろうとします。
しかし、行政は地元から嫌われた同社に許可を出しません。
ところが、やることが正しければ協力してくれる人も出てきます。
針の穴を通すような仕事の積み重ねで、屋内プラントを作ります。
良い会社を作るために従業員の意識改革も必要です。
しかし、従来下請け仕事をしていた従業員の変化を促すのは大変です。
5Sではなく、3Sから始めます。
それ以降も、価値を高めて、値段を上げて、投資余力を作ります。
土地の9割の里山を再生して、地元との融和を図り、今では人気企業になっています。
やっていることが、事業戦略上、正しい事だけをやり続けているのです。
教科書に従った経営なのです。
それを強いリーダシップと、あきらめない性格と、従業員とのコミュニケーションで実現していきます。
凄すぎます。
伊那食品工業や星野リゾートのトップたちも絶賛しています。
その理由が良く分かります。
見学もできるようです。
行きたいなと思いました。