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2019年 87冊目『資本主義ハック』


鬼束PDCAシリーズで10万部を突破しているZUUの社長の冨田和成さんの本です。

今度中尾塾の講師をしてもらう予定で、予習を兼ねて読みました。

資本主義経済というゲームのルールの中で自由に生きていくための処方箋が載っています。

例えば、このゲームのルールは

・お金で時間や選択肢を買う事ができる

・お金を資本に変えると増やす事ができる

・リスクを取ると、それに見合ったリターンが受け取れる

・評価や値付けは、実態値ではなく、期待値によって定められる

などです。

このルールを知っているか知らないか。

活用しているかどうかで、人生の選択肢が大きく変わるということです。

これらのルールを熟知し、資本主義をハック(ルールを逆手にとったり、その穴を利用する)し、

最短、最速、最効率でお金を増やし、自分の願望や夢を達成する方法を紹介しています。

これは個人にとっても活用できますが、企業でも同じですね。

大前提として、次の3つは誤解だとあります。

1 格差が覆せない世界である

2 大企業に入らなければ負け組である

3 資本主義は崩壊する

で、資本主義社会というゲームの中で勝っていくキーワードがアビトラージ

アビトラージは、一般的には裁定取引という意味だけれど、ここでは、「歪みに着目して勝つ」という意味で使っています。

最初の事例は冨田さんの証券営業時代の話

1年目でトップセールスになった戦略が、まさにアビトラージ。

証券顧客は、

1 資産運用に関心を持つ

2 どんな資産運用をするか考える

3 どの金融機関で、どの担当者に資産運用をさせるかを決める

というステップで顧客になる

ところが、一般の証券営業は、証券で資産運用をした経験がない顧客を狙う。

なぜならば、富裕層は既にたくさんの営業がアタックしているから。

ところが、営業活動でいうと1、2をクリアする方が難しい。

そこが他の営業が気づいていないアビトラージ(認知のゆがみ)。

そこに着目して、あえて激戦区である富裕層だけに絞って、営業成績を挙げ続けたのです。

アビトラージに着目して、資産を最大化し、個人の夢を実現してはどうかというのがこの本の趣旨ですね。

従来個人が資産を増やそうとしても、給与増、金融投資、不動産投資しか思い浮かばなかったわけです。

ところが4つの変化が起きたのです。

1 信用経済のプラットフォームができ、雇用の流動化もおきて、自己投資が投資効率が高くなった

2 クラウドファンディングやスモールMA市場などで、個人でもスタートアップ企業などに投資、あるいは事業保有しやすくなった

3 シェアリングエコノミーで、人生最大の買い物である家や車が、利回りを生む資本に変わった

4 リソースのクラウド化、流動化が起き、起業の初期費用が下がり、事業資本(起業した自社株)で資産を増やすハードルが下がった

人的、金融、固定、事業の4つの資本のうち、自分は、どこにカネと時間を投資するのかを考えれば良いということです。

その際に4つの視点を持つと良いとアドバイスしてくれます

1 因数分解(重点箇所は5段階まで)

2 常に正解は他にある

3 期待値と実態値のずれこそが勝機(魔法が解けるまでに追いつけばよい)

4 目標は高くしたもの勝ち

人的資本のポイント

・知識・スキル、信用・ブランド、人脈・ネットワークに分解可能

・リターンは資本の大きさ×利回り×時間→どこを変化させる?

・アウトソーシングで時間をお金で買う

・サラリーマンの重力(所得税の大きさ)→事業資本が結局得

金融・固定資本のポイント

・元手が無いなら、新興市場に長期保有

・事業資本活用にも役立つ

・消費者目線と経営者のビジョンを重視

・エンタメ、健康、時間創出、感情のサービスが有望

・シェアリングエコノミーの活用

・リスクコントロール力の重要性

事業資本のポイント

・リターンのレバレッジが大きい

・金融資産10億以上の9割は法人持ち

・リスクコントロール

①事前の検証

②固定費の最小化

③最悪食っていける

④分散

⑤借り入れを押さえる

⑥再チャレンジ可能な条件を守る

・ずらしが大事

顧客、サービス価値、生産プロセス、販売チャネル、マネタイズポイント、ブランド、経営リソース

・LTVがCPAを超えるビジネスになったらアクセルを踏む

色々な観点が整理されていて、学びになる本です。

▼昨日のブックレビューはこちら


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