2018年96冊目『日本人の9割が知らない遺伝の真実』
面白かったですし、考えさせられました。
この本の科学的根拠は「行動遺伝学」という学問によります。
書かれているのは、ある意味当たり前の話です。
・才能には遺伝がかかわっていること
・収入にも遺伝がかかわっていること
・才能に気づき育てるには経験と教育が必要であること
→しかし、今の学校教育の中では必ずしもできるわけではないこと
→知能や学力に遺伝の影響が大きいからだということ
・学校は遺伝的な能力の個人差を顕在化させるところだということ
・当たり前だけれど、世の中は学力がすべてではないこと
・学力とは異なる遺伝的才能を生かした人たちで、世界は成り立っていること
・才能のないところで努力しても無駄だということ
一方で以下はすべて誤解
・知能は遺伝するならば、親が馬鹿なら、勉強しても無駄
・遺伝の影響は一生変わらない
・才能は遺伝ですべて決まってしまう
繰り返しになりますが、これはすべて誤解です。
行動遺伝学は双生児の研究により進歩しました。
遺伝と遺伝以外の環境が様々な影響を及ぼすと考えます。
遺伝の影響以外に「より似させようとする環境」を共有環境
逆に「異ならせようとする環境」を非共有環境
と呼びます。
この研究により
青年期のIQの個人差は
遺伝54%
共有環境19%
非共有環境27%
となります。
同じく指紋だと
遺伝98%
共有環境0%
非共有環境2%
体重だと
遺伝88%
共有環境2%
非共有環境10%
ちなみに遺伝の影響は年齢が大きくなるにしたがって顕著になるそうです。
若いうちは差がでかいようです
なんだかおもしろいですよね。
▼前回のブックレビューです。
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