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内面を耕してくれるコピーの力とは

「自分をお寿司にたとえると、どんなネタでしょうか?」

ちなみに僕は「えび」です。なぜ「えび」なのか、それはたぶん自分が少しめんどくさいからです笑。

「えび」って尻尾をちぎるとき、手が汚れますよね。あれ、めんどくさくないですか?また調理にも背腸を取ったり、出すまでに工程がかかるのが「えび」ではないでしょうか?

あとつけくわえると「えび」は種類が多い。えび、車海老、甘エビ、生エビ、赤海老…回転寿司に行くと「えび」だけで「何種類あんねん?」とツッコミをいれたくなるのが「えび」の特徴です。

このめんどくさかったり、種類が多いところが自分に似ていると思ったんです。何か新しいことを始めるときに「意味」を考えてしまうめんどくさいところ。1つに絞ることが苦手で色んなことに挑戦してどれも中途半端になってしまうところ。「えび」の種類が多いように、スキルが分散しているところが似ているな〜と感じました。

自己紹介するのなら「選ぶのがめんどくさいえびです」になるんでしょうか?なんかネガティブですね。「手間はかかるけど選ぶのが楽しいえびです」とポジティブに変換しておきます。

でもここに個性が滲み出てくると著者の堤さんはいいます。同じ「えび」を選んだ人でも、「王道感あふれるえびが自分の生き方と似ている」や「子供っぽいところがえびと似ている」のように、子供がえびを選びやすいことと自分を照らし合わせて、「子供っぽい」と自己紹介する人もいるからです。

同じお寿司を選んだとしても、人それぞれ感性が違うからこそ、選ぶ言葉が変わってくる。無個性の人なんていない。自分をお寿司に例えようと思考を巡らせるだけなのに、自分らしさに近づくことができる面白いワークからこの本は始まります。

言語化のその先に、内側を耕す「コピー化」がある

ミッション、ビジョン、バリューといった「らしさ」を追求する人、企業が増えてきていますよね。ものが溢れている現代において独自の価値を知って自分を選んでもらうために、”価値の言語化”の重要性が問われるようになってきたと感じています。

書店に行くと”言語化”に関する書籍の多さを実感しますし、SNSでも「言語化が大切だ」との投稿を多く目にします。職場でも「うまく言語化できないんだよね」など、言語化が当たり前として受け入れられるようになってきている。そう感じることが増えました。

では”言語化”とはどう意味なのでしょうか?意味を確認するために辞書を引いてみました。

言葉で表現すること。感情や直感的なものを説明・伝達可能にすること。

実用日本語表現辞典

感情を人を伝わるようにピッタとハマる言葉で表現すること、と言えそうですね。でもまぁこれも難しくて「やばい」「エモい」「チルイ」とった言葉しか出てこない。推しを語りたいのにうまく言語化できないと悩んでいる人も多いですし、好きを言語化することの難しさは僕もひしひしと感じていて日々格闘してます。

でもピタッとハマる言葉が見つかった時は、気持ちいい!「そうそうこれが言いたかっただよ!」と、あのモヤモヤから解放されて、言葉が見つかって、さらに他人に自分の感情が伝わったとき、推しの魅力が伝わった時はなんだかワクワクしますよね?

でも、ここで終わりになることって案外多くないですか?言語化して満足、一本満足。「言語化できたけど世界は何も変わらなかった」と感じている人もは多いのではないでしょうか?

言語化の重要性が騒がれているけど、言語化だけでは人は動かせない。これ真理じゃないですか?ではどうすれば人は動けるのか?動かせることができるのか?この答えが「らしさのコピー化」です。

「らしさのコピー化」で一貫性が生まれる

「コピー化」には7つのメリットがあります。

①相手の心を掴める
②コミュニケーション効率が上がる
③チームに一体感ができる
④自分にあった仕事が集まる
⑤売上が上がる
⑥自分の志が耕され生きがいを感じる
⑦社会が良くなる

『ひとことで整える』

堤さんは「コピー化」は「幸せに至る道」と本書で表現されています。ここかなり腑に落ちました。なぜなら言語化がピタッとハマる感情を言葉にする瞬間的なものだとしたら、コピー化には感情を持続させてくれる効果があると感じたからです。

言語化は瞬間、瞬間を切り取るには適しているけど、未来から逆算して自分の行動を持続させてるには適していない。ここに気づくことができたのは本書を読んで得た大きな収穫の1つです。

コピーがあることで人は目指すべき目的地に向かって1歩を踏み出し、2歩目、3歩目へと歩みを進めていけるようになる。「今自分がやっている活動はコピーにつながっている」と、「えび」のように種類が多く、色んなことに挑戦して迷子になりやすい僕でも、コピーがあれば目的を見失わず、自分軸を確かめながら行動し続けることができる。

バラバラに見える活動にも一貫性を保つことができる。しかも、「自分はこのゴールに向けて行動しているんです!」と相手に説明する時にも、説明しやすくなりますよね?

「コピー化」よくないですか?情報が溢れている世界で目的地を見失わないことは大切だと思うんです。自分の拠り所にある言葉があることで、自分の行動に自信を持てるようになる。

誰かと比べて自分の活動に自信が持てない人でも、コピーがあることで自分の強みを客観的に見ることができ、迷いが減る。コピーの魅力がここに詰まっているのではないでしょうか?

言葉を整えると自分が整っていく

見える化。言語化。次に来るのが、コピー化ブーム。AIの進化で「人の役割とはなんなのか?」という議論がさらに加速しそうな2025年。

AIに答えを求めると自分の頭になかった考え方を瞬時に返してきます。自分の使わない言葉や表現に触れる機会が増えているなと日々感じています。発想を広げてくれるメリットもありますが、頼りすぎることで自分のオリジナルの考え方が迷子になってしまう恐怖も感じます。

言葉に人を動かす力があるからこそ、言葉によって自分が歪んでしまうこともある。そんな歪みを整えながら前に進み続ける勇気をくれるのが”コピー化力”です。勇気と希望を両方兼ね備えているのがコピー。

・他人の言葉に影響を受けやすい人
・自分の言葉が信じられない人
・他人と自分を比較して劣等感を感じやすい人
・未来が不安だけど行動できない人
・最近なんだか不調を感じている人

そんな人たちにこの1冊を贈りたい。2025年こそは自分のやりたいことをやると決意し、決意だけで終わらず、行動に繋げたい人に『ひとことで整える』を読んでほしい。


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