【書評】『売上を、減らそう。』|働き方は、生き方に合わせる考え方に共感
「売上を、減らそう。」
図書館でこのタイトルを見た瞬間、本棚の前で足が止まった。
そして、1ページ開いたときに目に飛び込んできたのが、
もう「頑張れ」なんて言いたくない。
「仕組み」で人を幸せにしたい。
この言葉を読んだ瞬間、「この本読みたい。」
僕は貸出口にこの本を持っていきました…
『売上を、減らそう。』|生き方に、働き方を合わせる
本書の冒頭の「働き方の形は自分の人生に照らし合わせて決めることができる」と読み、こんなツイートをしました。
僕の両親は共に飲食店に勤めていました。
父は朝は早く、帰りは終電。
子供の頃、僕が起きる前には親父は家にいなくて、帰ってくるのは家族が寝静まってから。
僕はそれが当たり前だと思っていました。
でも大人になり、自分が働くようになってから違和感に気がつきました。
「穏やかな幸せを暮らすために仕事をしているのに、朝早くに出勤し、帰りは終電だった親父。仕事って楽しかったんかな。」と。
父の本心を聞きたくても、僕の父ももういません。
ページを読み進めるうちに、著者のお父様も飲食店勤務で同じような境遇だと知り、さらに本の内容にのめり込みました。
働くって、しんどいだけなのかな?
自分の時間を犠牲にして、手に入れないといけないものなのでしょうか?
生き方に働き方を合わすという選択が豊かな人生を作る
自分らしく働き方を選ぶことで誰もが幸せになることができる。
それが本書の一番の主張だと、僕は思います。
「ワークライフバランス」よく聞く言葉ですよね。
ワークライフバランスとは、仕事と生活のバランスをとってQOLを上げようという考え方ですが…正直、無理じゃないですか?泣
佰食屋の仕組みは、今までこのどうしようもなかった問題を打開してくれる考え方です。
それが本書のタイトルになっている、「売上を、減らす。」でした。
佰食屋では、「一日100食を売り切ったら閉店」という仕組みを採用しています。
100食売り切ったら閉店というシステムのメリットは、
・上限があるから無駄な食材ロスもない。
・無駄な人件費もかからない。
・上限があるから社員のやる気も自然と上がる。
でも、「100食以上売ったらもっと儲かるのではないか?」そういう疑問が生まれますよね?
確かにそうです。
100食以上売れたら利益は上がります。
では、あなたに質問です。
お金と時間、どっちが大切ですか?
答えがない問題かもしれません。
でもあえて答えるなら「時間」、だと思いませんか。
なぜなら、お金は仕組みで稼ぐことができますが、失った時間は二度と返ってこないから。
ではなぜ時間は大事なんでしょうか?
それは、やりたいことをやる最適な年齢やタイミングがあるからだと僕は考えています。若いときの時間は年老いてからの時間の何十倍もの価値がある、そう僕は思っています。
最適なタイミングが働き方のせいでなくなってしまったら、あなたはどう思いますか?
そんな人生、嫌ですよね。僕は嫌だ。
ではなぜ、多くの人が佰食屋みたいな働き方をできないのでしょうか?
ラスボスは自分。
なぜ、佰食屋でうまくいった働き方が浸透しないのか?
それは、自分の中にある「あたりまえ」というラスボスを倒すことができないからだと著者は言っています。
・お金を稼ぐことはしんどいこと
・仕事とプライベートは分けて考える
・一社で勤め上げる
僕は社会人歴13年目ですが、5年前まで「この会社で定年まで勤める」、ってなんとなく思ってました。
僕がこう考えていた原因は日本の教育システムの負の一面だと、今では思っています。(ここで教育システムについて書くと長くなるので、教育システムについては別の書籍の書評のときに書こうと思います。)
では、「あたりまえ」ラスボスをどうすれば倒せるのか?
ボス攻略のヒントが本書に書かれていました。
「あたりまえ」をやっつけて幸せになる方法、
それは「自己決定権」を取り戻すことです。
「ジコケッテイケン」です。必殺技みたいに言ってみた。
…ご、ほん。
人の行動は必ず選択から始まります。
・なぜ、その仕事を選んだの?
・なぜ、その仕事をやり続けているの?
・なぜ、その仕事を辞めないの?
人それぞれいろんな背景があると思いますが、
あなたが選んだからこそ今がある。
つまり、いま自分が納得がいっていない状況にいるのは、誰のせいでもなく、責任は自分にあるということです。
「そんなこと言ったって僕にはこの選択肢しかなかったんだよ」、そんな声が聞こえてきそうですが、本当にそうですか?
選択肢は知ろうとすれば無限に広げることができます。
本を読み、学び、自分の可能性を広げることは理論上は無限大です。
だから、まずは現状の責任を自分を取ることから始めてみませんか?
そして、「なぜ?」と自分に問いかけてみる。
「あたりまえ」ラスボスに有効な武器は「なぜなぜ思考」です。
なぜ?と自分い問いかけて自分の思いを深掘りしていく。
時間をかけて。自分のやりたいことを見つけていく。
自分と向き合うことでは取り戻せる力が「自己選択権」であり、取り戻したとき、人は幸せになると僕は思います。
そのために著者は「売上を、減らし」自分と向き合える時間を作りました。
つまり、
あたりまえに立ち向かうために、頑張らない、仕組みをつくり幸せになる。
これこそが、本書の主張であり「生き方に働き方を合わせること」だと思います。
自分の人生は自分で選ぶ、そのために生き方をまずは見直してみませんか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、また次回!