近代日本文学を代表する傑作―三島由紀夫の『金閣寺』④
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11月第1作目には三島由紀夫の小説、『金閣寺』を取り上げます。
『金閣寺』は、1950(昭和25)年七月二日に、実際に起きた金閣寺放火事件をもとに書かれた小説です。
鬼才・三島の全青春をかけた総決算にして、近代日本文学を代表する傑作として、海外でも高い評価を得ています。
『金閣寺』……鬼才・三島の全青春の総決算にして、近代日本文学を代表する傑作
三島由紀夫(1925~1970)
【書き出し】
幼時から父は、私によく、金閣のことを語った。
私の生れたのは、舞鶴から東北の、日本海へ突き出たうらさびしい岬である。
父の故郷はそこではなく、舞鶴東郊の志楽である。
懇望されて、僧籍に入り、辺鄙な岬の寺の住職になり、その地で妻をもらって、私という子を授けた。
【名言】
※あらすじ(前編・後編)はこちら⇓⇓
【解説②】
三島由紀夫と川端康成
三島由紀夫を高く評価していたのが川端行成。
二人の作風は少しだけ異なりますが、お互いにリスペクトし合う関係は、生涯続いたようです。
「死」に対する卓越した描写
三島由紀夫の描く登場人物の心理描写には、他の追随を許さない深みがあると言われています。
それは、本質的な人間に対する洞察から導き出されているため、説得力があるのだそうです。
特に秀逸だと言われているのが、「死に対する描写」です。
最終的には自刃の道を選んだのが三島由紀夫。
作者自身が常に死について考え続けていたからこそ、深い洞察を含んだ死への描写が可能になっていったのかもしれません。
『金閣寺』で描かれる「死に対する描写」の一例をご紹介しましょう。
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