幻想的な霊界旅行⁉宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』③
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6月第2作目には、宮沢賢治の童話、『銀河鉄道の夜』を取り上げます。
『銀河鉄道の夜』は宮沢賢治の代表作の一つです。
孤独なジョバンニが、友人カンパネルラと銀河鉄道の旅をする物語。
大正末から書き始められ、晩年まで推敲が続けられましたが、賢治の死去により、未定稿のまま遺されました。
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
――幻想的な霊界旅行⁉天上の世界へようこそ。
宮沢賢治(1896~1933)
〈書き出し〉
「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」
先生は、黒板に吊るした大きな黒い星座の図の、上から下へ白くけぶった銀河帯のようなところを指しながら、みんなに問をかけました。
〈名言〉
なにがしあわせかわからないです。
ほんとうにどんなつらいことでも
それがただしいみちを進む中でのできごとなら、
峠の上りも下りも
みんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。
※あらすじは、第一回解説をご参照ください🌸↓↓
【解説】
詩人としての宮沢賢治
宮沢賢治は『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』などの童話作家の側面と共に、詩人としても有名です。
『銀河鉄道の夜』の関連作品として、最愛の妹トシが亡くなる間際の鮮烈な詩をご紹介しましょう。
「永訣の朝」
きょうのうちに
とおくへいってしまうわたくしのいもうとよ
みぞれがふっておもてはへんにあかるいのだ
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
うすあかくいっそう陰惨な雲から
みぞれはびちょびちょふってくる
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
青い蓴菜のもようのついた
これらふたつのかけた陶椀に
おまえがたべるあめゆきをとろうとして
わたくしはまがったてっぽうだまのように
このくらいみぞれのなかに飛びだした
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
蒼鉛いろの暗い雲から
みぞれはびちょびちょ沈んでくる
ああとし子
死ぬといういまごろになって
わたくしをいっしょうあかるくするために
こんなさっぱりした雪のひとわんを
おまえはわたくしにたのんだのだ
ありがとうわたくしのけなげないもうとよ
わたくしもまっすぐにすすんでいくから
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
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