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有馬温泉で茶色の温泉に驚きつつ、歴史に想いを馳せる。
有馬温泉は太閤秀吉も愛したという関西屈指の温泉地。
有馬温泉のお湯は茶褐色の「金泉」と無色透明の「銀泉」という、異なる泉質が楽しめるのが特徴です。
「有馬温泉のお湯はなぜ茶色いのだろう?」
気になって調べてみたところ、
「金泉」は金気、塩味、鉄イオンを含み、湧き出る時は無色透明ですが、空気に触れて茶褐色になるそうです。
つまり、茶色の理由は、鉄分を含んでいるからなのですね!
確かに、入ってみるとやや鉄っぽい匂いがするような……!
そしてこの「金泉」、冷え性や腰痛改善、アレルギー性皮膚疾患にも効果があるそう。
「銀泉」は無色透明の炭酸泉とラジウム泉が混合した温泉。
血流の促進、むくみ解消に効き、血管系の病気に効くそうです。
有馬温泉と言えば、茶色がかった不思議な色の温泉、ということは知っていたけれど、実際に入ってみると本当に茶色く、そしてお湯はややしょっぱい!笑
海水よりはるかに塩分濃度が高く、体を芯から温めるそうです。
温泉に入ってみて、さらに気になりました。
有馬温泉って、いつ頃から有名なんだろう?
秀吉?それ以前?
そして調べてみました!
有馬温泉の発祥は、なんと神代の時代の神話まで遡ります。
「三羽の傷ついた鳥が水たまりで水浴びをしていると、傷が消えていった。
それを見た大己貴命、少彦名命の二神が、その水たまりが温泉であることに気づいた。」
これが有馬温泉の始まり。
大己貴命は、大国主命の別名でもあり、確か大国主命は病気治しの神様であることも興味深いですね。
飛鳥時代には、第三十四代舒明天皇・第三十六代孝徳天皇が行幸して、一躍有名になりました。
その後、有馬温泉は一時期衰退しかけますが、奈良時代に高僧・行基が再興させました。
行基と言えば、奈良の大仏建立を成し遂げた方であり、草津温泉など全国の温泉地を開いて回ったという行動家。
草津から有馬まで、全国各地で行基の来訪記録が残っていて、なんと行動的なのだろう、と驚きます。
そして、有馬温泉の名前を全国レベルに轟かせたのは、やはり豊臣秀吉が何度もこの地を訪れた事でしょう。
秀吉は有馬温泉への資金提供を惜しまず、「湯山御殿」の建設まで命じていましたが、残念ながら未完成のままこの世を去ったそうです。
有馬温泉は、商売繁盛のイメージの強い秀吉と結び付き、何か縁起の良さそうなイメージですよね。
でも、今回の旅で知りました。
秀吉よりもずっと前から、有馬温泉は日本を代表する温泉地であり続けたということ。
温泉に入りながら、
歴史上の人物も同じ温泉に入ったのだろうか……と想いを馳せるのも、贅沢な時間でした。