内緒の関係 のん奥様のストーリー①
男の欲というのは、どうにも一度燃え上がると容易に消せないものだ。ベッドの中でごそごそと寝返りを打って誤魔化そうとしたが、いつまでも身体の妙な疼きが消えなかった。離婚してはや二か月。ようやく一人での生活にも慣れようかという頃ではあるが、こればっかりはどうしようもない。スウェットの中で頭をもたげているものからじんじんと伝わってくる熱に耐えかね、俺はスマホを手に取った。
何となく漫画を読み漁ってみるが、やはり現実での刺激が無いと満足できないのかもしれない。女性の柔らかい身体の感触、吐息混じりの喘ぎ声、そして絶頂を迎える時の頭が真っ白になる感覚。想像すればするほど恋しくなるそれらは、紙面では表現し得ない魅力を持っている。
大きくため息をついて再びスマホに視線を戻すと、誤タップでたまたま広告を開いてしまっていたことに気が付いた。
「内緒の関係…」
そのサイトに掲載されていたのはどうやら人妻専門のデリヘルらしい。営業時間は朝の三時までらしいので、これから予約しても十分間に合うだろう。下手に身近な女性に近づくよりも、こういう店を利用する方が良いのかもしれない。俺は早速ブラウザを閉じ、早速かけてみようと電話アプリにそこの番号を入力したのだった。