内緒の関係 ひとみ奥様のストーリー②
はやる気持ちをおさえ、ヒトミさんのプロフィールに目を走らせた。
サムネイルの一枚目は、長いストレートの髪に体の線が出るセーター姿だ。
肌はあまり出してないが、胸がさりげなく強調され、日常感の中に、隠しきれないエロスがある。ぽってりした下唇に引かれた紅と、白い歯のコントラストがあざやかだ。
化粧がされた頬が、愛嬌を感じさせる輪郭を描いていた。顔が出ていないが、優しく微笑みかける女性が、自然に脳裏に浮かぶ。
写メつき日記を見ると、絵文字を使い、客へのお礼日記を、毎日投稿していた。これで不機嫌そうな女性が出てくることのほうが想像しづらい。
二枚目の写真からは、髪を少し巻き、セクシーな薄紫のランジェリーに身を包んだ姿だ。
(これはまた……印象が変わるねえ)
「ベッドの上で、あの奥さんはこんな風ですよ」―画面が、そう訴えてくる。
健康そうな肌、二の腕や太ももが、程よい肉付きをしている。柔らかそうだが、体の線が崩れない、絶妙なバランス。「女ざかり」という言葉が脳裏に浮かぶ。
パンティを腰で少しずらし、正面を向いた写真から男を誘惑する余裕も感じられ、受け身だけでない魅力を暗示する。
よし、と頷き、俺は店に電話をかけた。