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【挿絵あり】№15_召喚術の授業は××な魔物と、 (月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生)【BL・ブロマンス共通】

【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約を巡る攻防を描く、割と現代的で現実的なファンタジーです。
この№15~№●まではBL版・ブロマンス版、共通になります。


 
「………」
とりあえず僕はベッドに腰掛け、一息つくことにした。

(この亜空間には、あの魔物以外は誰もいなかったな…)
これから自分はここで、魔物と二人で暮らすことになりそうだった。


(まあ不便はなさそうだったな…)
魔物が自慢げに言った通り、屋敷の中は住み心地良く整えられていた。
外側だけでなく電気、水道、ガスといったライフラインに、電力や魔力を原動力にした機器製品も揃っていた。

さらに食品類も主食からお茶、お菓子まであった。
どうやって入手したんだとツッコみたくなったくらいだ。
あの魔物…あんなに凄い力と態度の癖に実は相当な世話好きなのか…?

(いや気を抜いちゃダメだろ)
監視、生育といった言葉。魔力を奪うため毒薬だけでなく、解毒剤まで用意していたことから考えると…


(あの魔物も、他の魔物の飼育をしているのかもな)
強い魔物には人間と似た生活様式を持つ者もいて、家畜として他の魔物を飼う話も聞いたことがあった。

だから下等生物の世話にも慣れていて、適した住処や食べ物を用意してやるのもその一環。
あの魔物にとってはいつもの飼育作業の一つだったんだろう。

”に、っ人間風情にこれほど繊細な気遣いや気品ある住居を与えるなど、お、お前以外ではありえないからなっ”
(あれも…僕を信用させる演出として言っただけでは?)
それに現在進行形で高度な幻覚を見せられていて、実際は培養液に突っ込まれているだけかもしれない。

(どちらにしろ、僕が召喚契約を結ばなければいいだけだ)
思考が一旦終着したところで、僕は疲れた心身をベッドに投げ出した。


(そうだ…授業は、学校はどうなっただろう…?)
突然生徒が魔方陣に飲み込まれたか、意識を喪失して倒れたため大騒ぎになっている…
そんな光景が思い浮かんだ。

「うああぁ…」
召喚術の先生にまた迷惑をかけてしまった。
あんなに良くしてもらったのに、申し訳なさすぎる。
クラスメイト達からは「またあいつかよ」なんて言われているだろうか。

「…そういえば」
(あの魔物は、”ここは時間の流れが違う”って言ってたな…)
もしかして元の世界では、僕が消えて何年も経ってたりして…

(むしろ、その方がいいのかもな…)
そうだったら帰れない事にも家族と会えなくなる事にも、全てに諦めがつく。

でも。
”本当に脱出はできないのか?”

心の隅からそんな囁き声が聞こえた。
 
 


今回はここまでにします~
ではまた~ 

1話目はそれぞれこちら↓
BL版↓

ブロマンス版↓



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