【挿絵あり】№21_召喚術の授業は××な魔物と、 【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約BL
【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約を巡る攻防を描く、現代的で現実的なファンタジー召喚BLです。
「っ!?!」
テリトリーに入ってきた僕に、花々は牙を剥いた。
手始めに、霧状の噴出物を顔めがけて吹きつけてきた。
迂闊にも顔を近づけていた僕は、それを思いっきり吸い込んでしまった。
「ゲホッゴホッ、ゴホッ、」
咽たのが収まる前に視界が、頭がクラクラしてきた。
(この浮遊感、あの毒薬に似てる…)
立っていられずその場に蹲るのを、待ち構えていたのだろう。
花々から蔓が勢いよく伸びてきて、首や手足に絡みつかれた。
僕はなんとか逃れようと平衡感覚を失いかけた体で藻掻いた。
蔓は伸縮性があって引き千切るのは手間取りそうだが、アサガオの蔓程度の太さで一本一本の力は弱い。
体が動くうちに、花達から距離を取らなければ。
踵で地面を蹴り、後ろ手に必死に後退しようとした。
しかし、周りの花達からも、蔓が続々と伸ばされた。
蔓の数が増えていくと、絡まる力も増していく。
蔓と僕とで拮抗した力。
しかし、毒にやられ体からは徐々に力が抜けていく。
ズッ、ズズ…、ズズズ、ズズズ…
そうして最後には、蔓にズルズルと引きずられて花壇の中へ招かれた。
獲物を手元に引き寄せた花々はまず、僕の口に花弁を突き入れ噴出物と同じ味の液体を飲ませた。
カッと腹が熱くなり、その熱は全身へと広がっていく。
心臓がドクドクと脈打ち、体がさらに脱力していく…
僕を拘束する必要のなくなった蔓達は、今度は耳、首などに絡み始める。
「っぅ……ん、っぁア…!」
霞みだす意識とは裏腹に、皮膚感覚が過敏になっていく。
口内に居座ったままだった花びらにも、舌や上顎を撫で回される。
口も鼻も、毒の蠱惑的な甘い香りに満たされる。
むせ返るようなその香りに、脳まで侵されるようだった。
「ッアぁ!…っ!」
そんななか、突然もたらされた鋭い快感。
それによって服の上からも身体を弄られていることを、朧げな意識のなかで知ることになった。
そして、花が僕の魔力を吸い取り始めた。
それはほんの、ひとつまみ程度。
指先に小さな光を灯すくらいの、ごく僅かな魔力だった。
それでも花は急激に成長、いや変化した。
花は僕の魔力に驚いたのか、すぐさま花弁を引き抜き距離を取った。
しかし花自体がみるみる大きくなるため、僕との距離はひらかない。
簡単に手折られる草花からヒマワリ、さらに二階建ての建物に匹敵しそうなバナナの木サイズになっていく花々。
僕はその激変を、根元でただ見ているしかなかった。
蔓もアサガオ程だったものが、僕の手首と同じくらいになっていた。
力も強くなり、先程まで中に入ろうとしていた僕の服を、いとも簡単に引き裂いた。
ベルトまで両端を持たれて、そのまま引き千切られた。
そして露わにされた上半身にも、下半身にも蔓が這い寄って来る。
服の無惨な姿から、痛みを覚悟した。
今回はここまでにします~
ではまた~
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