行動レベルまで表現できると成果が出る
以前にも書いたことがあるのですが、最近お客様にもOKRについて話す機会が増えました。
自分のOKRについては仲間と定期的に振り返っています。その中で思ったことを書いてみようと思います。
OKRって何?
あらためてOKRとは何かを確認しておきます。
Objective 目標
Key Results 主要な結果
文字にしてみると単純ですが、目標管理の手法の一つです。
KR(主要な結果)をすべて達成できたら、O(目標)は達成できているという極めて単純な話です。
しかし単純だからこその難しさもあります。
目標を一つに絞りますが、この目標が目指したいものであるかどうかは重要です。
経営者の方に目標を聞くと、売上数字目標を話される方がいらっしゃいます。それはそれで間違ってはいないのですが、その数字を目指す意味や背景、それを達成したら社員はどんな風に働いているのか、社員にとって魅力的でないと上手く動かないと思います。
目標達成のための戦略がイメージできるか?
現場で話をしていて意外に?KRが表現できないです。
売上を〇〇にする。達成したら社員の給料が△△アップする。という目標が説明できたら社員の方もやる気が出ると思うのですが
「この売上達成のためにどんな戦略でいくのですか?」
と聞くと「え?」という顔をされることがあります。
会社がどういう戦略でどういうビジネスを展開しようとしているのか、方向性やそれぞれの役割を示さなければ、バラバラに行動することになるので、目標には到達しません。
各部に目指してほしい状態(期待)と言ってもいいかもしれません。
目標数字や達成している状態を示してあげると、各部はそれが部門目標になります。
大事なのは目標がつながっていること
上記の図のように会社OKR(1層目)ができたら、そのKRが部門の目標になるので部門のOになります。
そうすると部門はO(目標)を達成するためにKR(主要な結果)を定義します。これをいくつかの課やチームに役割を分けていきます。
さらに課やチームは落ちてきたKRがO(目標)になるので、それを個人レベルにKRとして落としていくことになります。
下のレベルに落としていくことで、大きな目標から実行できる実務の行動レベルまで具体的に表現されることになります。
大事なのは、個人は目の前の仕事になりますが、それが目標の連鎖の中でつながっているということを、上司は部下に理解してもらわないといけません。
また、自分のところだけが目標達成すればよいということではなく、この連鎖でつながっている全てが達成して初めて目標達成なので、どこかで上手くいかないところがあれば、それを横でカバーする必要があります。
だから部門間やチーム内のメンバーが今どういう状態で、困っていることがあるのかないのか、このままでは全体で目標達成ができないなら、どうするのか?こういうことを常に意識して仕事を進める必要があります。
上手くいくためには?
OKRを入れるメリットは、目標が見える化されることだと思います。
あるお客様は売上目標数字の達成ということではありますが、これを達成して自分たちはできる!ということを周りに示したい!という部長の言葉に、課長以下の管理職が全員うなづいていました。
これまでこの部門は周りから、何やっているんだ、何もやっていないというようなことを散々言われ続け、見返したい!という思いが全員にあったようです。
課長が「目標数字達成は大変だけど、OKRを組んだことで何を目指すか見えるようになったので、自信を持って部下に指示できます」と言っていたのが印象的でした。
また、私個人のレベルでOKRを組んでいるのですが、仲間の中で今年飛び抜けて実行力が上がり成果を上げているメンバーいます。
その人の話では
「昨年末にOKRをきちんと3層目までしっかり組み立ててみた。今はその3層目を地道にやっていて、この場で進捗確認している」という話でした。
これを聞いて、3層目くらいまでしっかり言語化できていれば実行レベルまでイメージできるので行動につながるのだと理解しました。
私はあまり細かい計画が得意ではないし、自分一人のことなので、OKRも1層目と2層目を少しだけザクっと決めていた感じです。
できていることもありますが、できていないことは全く進んでいませんでした。
成果が出るか出ないかは、戦略だけではなく行動が具体的になっているかどうかの違いだと思いました。
少し早いですが、来年のOKRを早めに検討してしっかり3層目まできちんと言語化してみようと思います。