【読書録】六人の嘘つきな大学生 浅倉秋成
あらすじ
成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。
感想
今回初めて浅倉秋成先生の作品を読みました！ほんタメで拝見したときにとてもおしゃべりの上手な作家さんだなと感じ、ずっと著作を読みたいと思っておりました。その中でも本作は前々から気になっていたので、文庫化されたと聞きすぐに飛びついてしまいました（笑）
内容としてはミステリに分類して良いものだと思います。特に第１章は大学生の主人公視点なので、若さゆえの感受性や情熱を感じることができました。それと同時に就活が懐かしく思える年齢になってしまったことを痛感させられました。。。。
本作は第１章と２章で主人公が交代することで、がらりと印象が変わる構成になっています。間に挟まれるインタビューも含めてとても構成が練られており、終始飽きることなく読み進めることができました。また一種の多重解決的な要素も含まれており、途中でしてやられた感を大いに感じることができました。
元々話題になっていた作品なので、期待して読み始めてはいますが、それを上回る面白さでした！！今後浅倉先生の他の著作もチャレンジしたいと思います！！