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『じぶん時間を生きる』佐宗邦威 感想

コーチングと私を育むを両立させようとしているなほです。
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じぶん時間ときいて、どんなことが思い浮かびますか?
じぶんを中心に時間を使えていますか?
年末がすぐそばに迫ってきて、こころも忙しく慌ただしい感じはしていませんか?
会社に勤めている限り、じぶん時間なんて無理で、他人の時間に合わせるものだと思いますか?
ちょっとでも早く時間を節約することに毎日力を注いでいますか?

私は出来るだけ早く仕事を終わらせるために、少しでも早く始められるように効率を考えて調整、調整を繰り返していました。他部署との調整が大枠の予定は決まっていてもその都度必要だったからです。
時間に追われる感覚を常に持っていました。

仕事ではじぶん時間が難しいなと思うならはじめの一歩として仕事以外のところでは、じぶん時間で過ごせたら良いですね。

『じぶん時間を生きる』佐宗邦威
あさま社 ¥1800+税 2023年

この本も直感本で積読でした。
私を優先して、やりたいようにやる道を歩くと意識していた時にインスタグラムか何かの広告にこの本が出ていました。
「私を生きる」をしようと思っていたので買いました。
なので、内容については「じぶん時間」と書いてあるくらいだから、私のための時間の使い方が書いてあるのかな?と思っていました。

間違ってはないけれど、私のような過渡期にいる人に読んで欲しいです。
トランジションのタイミングに立っている人のための本だと言えると思います。

トランジション、私も数回聞いたことがある程度であまりなじみがありませんでした。

「トランジション(transition)」
転機、転換、転換点、移行、変化、節目などを意味する言葉で、その人の人生において状況や役割が変化していくことを指します。
トランジションは、単なる外的変化ではなく、個人の心理的変化も含めて述べる場合が多い。

私は、看護師からコーチへキャリアチェンジしようとしている過渡期=トランジションです。

トランジション、キャリアブレイクに近い言葉だと思います。
何らかのきっかけがあり、これからの働き方など仕事や転職などから人生における転機、結婚や離婚、移住などのタイミングにある人たち。

本書では、著者自身がコロナをきっかけに移住し働き方を変えておられて、同じようにトランジションを経て移住された方へのインタビューも行ってきた経験を踏まえて書かれています。

働き方だけでなく、人生をどう生きたいか、どこに住みたいかなど自分と向き合う時間を否応なしに突きつけられたのがコロナだったと私も思います。

まだ撲滅された訳ではないのでコロナについては考えて付き合う必要がありますが、看護師として働いていた私は、かなりしんどかったです。
直接コロナ患者さんの対応をする部署ではなかったけれど、それでも消耗したし心が病みがちだったと思います。何もかもがコロナ抜きには考えられませんでした。


インサイドアウト

この言葉に出会うの2回目かなと思います。
多分この本だったなと確認すると、やっぱり『7つの習慣』で出会ってました!


 パンデミックがもたらした内省を経て、多くの人がそれぞれの最適解を探すようになった。他人の価値観や、他人との比較によって人生を決める「Outside-in型」の生き方から、内発的な価値観を最優先する「Inside-out型」への転換が起きた。

p128

この言葉がこの本の根幹をなしているのではないかと思いました。
他人を優先した時間の過ごし方から「じぶん時間」へのシフト。

人生をどう生きるかは、毎日の時間の使い方に落とし込まれ、何を選択していくかにつながる。ホリスティックタイムマネジメントとも通じる。

私は、「私を生きるんだ」と決めたのに、全然そう出来なかった時間(転職がミスマッチだった)を経て、だからこそより強くそこを目指すようになったと感じます。

「私が私に好きなことをたくさんさせてあげてね」ともつながります。
これは、大好きな人から贈ってもらった言葉で、私を大事にするという意味でもこれを離したくない、離しません。

インサイドアウトで生きるためには、行動を変えなければならない、
「決意を新たにする」は、もっとも無意味な宣言ですよ、ということを著者は述べられていて、そうだよなと思いました。

願うだけでは実現できなくて、行動してこそ、それが現実になる。
具体的には、時間配分、住む場所、付き合う人を変える。

住む場所についてはおよそ1年前に他県での1人暮らしをしたことで変えられたと思います。来年は高松へ引っ越したいです。一番住みたいと思っていたのが高松だからです。
時間配分は、勤めるをしていないので、変わりましたが課題感があるのが今の私。
そして、付き合う人を変えるは、主体的に新しく出会う人との関係を作ろうとしているし、また会いたいと思う今までの友人に声をかけています。

変わりたいと思ったことのある方は
何を行動として変える?と考えたことがあるかもしれません。そして、聞かれたことがあると思いますが、改めて、
「時間配分、住む場所、付き合う人」のどれか1つでも変えてみてはいかがでしょうか。

じぶん時間と仕事の捉え方

今までの私が、仕事がすべてで、仕事をとると私には何も残らない、仕事で成長すること、役に立つことが何よりも大事だと思って生きてきたので印象に残りました。

それまで、中心を占めていた仕事の存在が、新しい生活では「ワン・オブ・ゼム」になったのだ。仕事のパフォーマンスを上げるための手段に過ぎなかった、趣味や旅行・余暇が、「そのほかの活動」ではなく、仕事と同じかそれ以上に位置づけられる。

p156

私は、「コーチを生業にしたいです」という言葉を最初使っていて、それは「仕事」というよりももっと自分に近いものだとコーチングを捉えていたからでした。そして、それについて考えた時に、コーチを私の一部にしたいのだ、「仕事」という言葉では私からは遠すぎてもっと近いものに感じていたから「生業」という言葉を使っていたということが分かりました。

そして、この本で「ワン・オブ・ゼム」という言葉に出会って、それがしっくりくるなと思いました。

私に起こったのは、そのほかの活動が仕事と同じように位置を上げてきたのではなく、仕事という存在が大きくて私の人生の大きなウエイトを占めていたのが、それと離れられた。仕事依存からの脱却でした。
だから、仕事が他のものと同列に扱えるように、考えれるようになった。けれど、それは外に並べて他の人生に豊かさをもたらすものと同じように見られるようになった所から、私の中に取り込まれたということが起こったのだと思いました。

 トランジション後の「じぶん時間」を生きる暮らしでは、仕事のパフォーマンスを上げるための「休暇」という「仕事一本足打法」の発想ではなく、「休暇」を仕事、趣味、家族、旅などすべてが人生の時間を形成する要素としてフラットに考えるようになる。いわゆるホールネス(全体性)という概念だ。

p157

とても簡潔に分かりやすく説明していると感じました。まさに仕事が中心の生活からもっと大きな視野で仕事を客観的に見られるようになりました。

情報を取りに行く

都市を離れた著者が気をつけている情報のバイアスについての部分で書かれていました。
情報源がスマホに偏ると自分の好きな情報しか入ってこなくなるという指摘です。

私は、地方から地方へ引っ越してそのタイミングでテレビのない生活に切り替わりました。そうなると、情報源としてのテレビがなくなったので、世間の事情に疎くなった感覚はあります。

著者はあえて新聞を読むことを提案されています。
私は活字を読むのが好きなので、1人暮らしですが新聞をとっています。目的はテレビがないのでニュースソースとして役立てるためです。
あまり真剣に読んでいなかったので、もっとしっかり目を通そうと思いました。

2つ目に、自分の仕事とは違うコミュニティの人と定期的に会って話すこと、今の時代、放っておいたら人との出会いや雑談の機会は訪れない。と書かれていて、耳が痛いなと思いました。

コロナで不要な人との接触は避ける生活を強いられたことで、直接会わなくても話せるツールを手に入れました。
そして、縁のない土地に引っ越してきて子どもも親もいない1人なので、私には家族を介した交流もないし、今住んでいる地域で近所の人との交流もない、参加している地域のコミュニティもありません。
自分から努力しないといけない部分だと感じました。
意識して自分の世界を広げる努力が必要。

また、「移動」を生活の中に取り入れることも提案されています。
著者は移住されて都市から離れてリモートワークでカバーできる部分もあるけれど、あえて都市に移動する機会を持っているそうです。
「身体を投げ入れる」という表現があり、移動するという時間そのものの持つエネルギーについて、その価値について説かれていました。
また、直接会うことで五感で感じるもの、人ではなく場においても身を置くことで得られるものの価値が高まると書かれていました。

身体で感じること、直接会うことの価値については皆感じていることだと思うので、何でもリモートで済ませるのではなくて、「身体を投げ入れる」を意識したいです。そして働いていると旅行できないの思い込みがあったのでいろんな土地へ旅行したいです。

先日、オンラインでしか話したことのない人と生身の人間として実際に会った時に感じた感覚は、やはり実際に会うことでよりたくさんのエネルギーをもらった、感じられた時間だと思いました。

自分から積極的に新しいコミュニティに参加すること、情報を偏りがないように取りに行くこと、「移動」を意図的に取り入れたいと思います。

コンサ―マトリー

これは「現在を楽しむ」という意味で、今行っていることを、未来の目的やゴールに対する「手段」とするのではなく、「行為」そのものとして楽しむ姿勢のことだ。

p270

コンサーマトリーという考え方は、未来の目的を考えずに「今・ここ」を楽しむことの蓄積の中で、結果的に未来が生まれるという考え方だ。

p271

コーチングにとても通じる考え方だと思いました。
今ここで感じることを大事にする。未来も過去も考えるけれど、今ここで感じる気持ちや感情、わいてきたことを大切に対話をします。

目的を持たずに過ごすことが、「じぶん時間」を過ごすことにつながっていく。
旅行に目的を持たずに出かけてみませんか?という提案がされています。5分でできることもいくつか具体的にページをさいて提案されているので、気軽に始めやすいと思います。

クロノス時間とカイロス時間

これもコーチングだとカイロス時間。

時間には2種類ある。
初めて知りましたが、そう言われると感覚的には分かっていることで名前をつけて教えてもらってすっきり分かりました。

 ギリシャ時代に遡ると、時間とは2種類あるとされていた。時計によって刻々と動いていく定量的で数えられる時間である「クロノス時間」と、身体で感じる主観的な時間「カイロス時間」だ。クロノスとは、現在を中心にして、過去から未来へと直線的に流れていく時の流れのことをいう。それに対して、現在という瞬間、つまり「今・ここ」に意識を向けた時間意識をカイロスという。

p256

コーチングではカイロス時間。そして、カイロス時間が増えることが人が豊かに人生を歩いていくために必要なのではないかと著者はおっしゃっています。
私もそうじゃないかなと思います。
みんなの共通概念としてのクロノス時間は必要だけど、カイロス時間をたくさん感じられることが幸せにつながる。

マインドフルネスも、「今・ここ」という所ではカイロス時間にフォーカスするための手段で、呼吸に集中するのは身体の「今・ここ」に意識を向けることで、カイロス時間への切り替えだよと教えてもらって、分かりやすかったです。

マインドフルネス、私も興味があって、瞑想アプリを使っています。
せっかく自由に時間を使えるので、もっと時計の時間を手放して、カイロス時間を意識したいと思いました。

まとめ

移住による働き方を中心に話が進んで行ったので、移住を検討されている方にも大いに参考になる本だと感じました。
また、トランジションにいる人にとっては、時間をじぶんにより引き寄せて、インサイドアウトで過ごしていくための具体的な方法や心構えを知ることのできる良書だと思います。

トランジションにいる人にとっては、ビジョンやどこに住むのか、今までの自分をどう終わらせるかについても丁寧に書かれているので、今回の感想ではふれていませんが、自分の置かれている状況を客観的に見ることができます。
また、問いかけがあるので、それに答えていくことでトランジションをより整理しながら過ごせるという効果もあると思います。

タイミング的に、すでに方向は仮決めして歩き始めていますが新しい方向へ大きく舵を切っているので、今のタイミングでこの本を読めたことがギフトだなと受けとりました。

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