マイクロノベル集「わけたり、まぜたり」
マイクロノベルNo.2004
古臭い物は、ただ古臭いというだけでダメなんだ。ぼくは古い物と新しい物を分けて、捨てる。「おっと、敗者復活の時間だぜ」お、お前は!? 「オシャレになって帰ってきた腹巻きだ!」大してオシャレになってない。「まあ、そう言わずに」あ……あったかい。
マイクロノベルNo.2005
お願いがあるの。知っていることをこの小さな水槽に入れて。ぼくは街の人たちにお願いして、たくさんの知識を入れてもらったの。最後の仕上げに網ですくい上げるんだけど、その網を作ってほしいんだ。できるだけ綺麗な網がいいな。うん、責任は重大だよ。
マイクロノベルNo.2006
今日の追試に挑む、俺の気合いはひと味違うぜ。筆箱にカンニング用AIを仕込んだのだ! 「おい、その筆箱を寄越せ」フフ……筆箱はフェイク。まさか本命が頭髪とは思うまい。「頭から湯気が出てるぞ。冷房を入れるか」あっ、だめっ! ブレーカーが落ち――