006|心配ないからねと豪雨も上がる金曜日
何もしない。そうしたらそのうち急に描きたくなるらしい。
なんの偶然か、自分の特技が何か焦る主人公に向けた今夜の金曜ロードショーのセリフが深すぎて、
連休はあまり目標を立てずに流れるように過ごしてみようかな。と最近の焦りとの向き合いを考えてみたりしている。
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今日の雨は午後からのはずが、10時過ぎからすでに降り出した連休1日目。
近くでフェスがあるので、日中はその音を部屋で聴くために朝のうちに昨日の繰越でバールにおやつなど差し入れを持って行く予定が早速崩れた・・・。雨音で全く音も聞こえない。覗いてみると人は入っているので始まってはいるらしい。
仕方ない。
この夏に来日するUKバンドのライブを流しながら、仕事関連の専門書を開くことにした。
このところ、びっくりするほど仕事が手につかない。興味がないわけではないだけに何が原因かわからない。そもそも向上心がある方ではないのでやる気がある方が珍しいが、手につかないのはもっと珍しい。
周りに喜んでくれる人、自分が手を止めると困る人がいる場合は手は動く。しかもキャパ150%くらいで。
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気付けばまた夕方になっていたので、おやつ屋さんが閉まる前の区切りのいいところで外に出た。
ドアを開けるとあの豪雨も運よく上がってフェスの音も届いてきた。
信じることを決してやめないでと、住んでいる街中に響く昭和の名曲は、焦りと相まってなかなか沁みる。
おやつ屋さんから出ると次はなんでもガッツだと響き渡っている。
休み前に仕事が手につかないと雑談がてらに話した先輩からは「暦の上では明日から休みだから、とりあえず今日頑張ろう。」とあった。
結局のところdo the ド根性か。
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この街の非日常に高揚したのと軽く喉が渇いたのでバールに着くなりカンパリソーダをお願いした。
1ヶ月くらい前に初めてお話しした雰囲気のあるお姉さんと、いつも仲良くしてくれている常連さんが3人来ていた。
ほっとしながら飲むカンパリソーダは爽やかな苦さが心地良くてすすむ。
お姉さんが着ていたジョンレノンから素敵な男性の話に。
男女差が出そうで不思議とそうならないのは常連さんという共通点の仕業かもしれない。
いただきもののきな粉の和菓子に合うカクテルをお願いする。
オレンジとクルミのリキュールをスパークリングで割った透き通ったショートグラスが現れた。
香りと色はレモネードのよう。
きな粉に合うのかドキドキしながら口にしたそれは、クルミの甘さとミルク感が広がり最後にオレンジの軽い酸味が残る全くの予想外の味がした。
ああ。やられた。合いすぎる。。。
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話は尽きず、
こんな会話だとスマートで憧れるし、
昔行ったネパールでは男性の後ろ姿が美しかったし、
この組み合わせに黒髪は色気があるし、
リヴァーフェニックスの美貌など。
そしたらカウンターからバールマンがきっと私好みだと見せてくれたのは旅先のセニョール写真。
ああああ。またやられた。
驚きのドストライク。これがバールマンの提案か。
お父さん、お母さん。落ち込むこともあるけれど、私、この街が好きです。