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わからない、わかってくれないのは言語化ができないせい: 言語化のコツ教えるから来い

もやもやする感情や他人の言動や業務上の問題を紐解く

ハゲるほど頭を使い続けて (まだハゲてないけど) いつの間にか得意になっていた言語化するスキル。

  • "理解したつもりでいるけど、もやもやするけど、なんだろこれ。"

  • "今のこの人の発言、うまく言えないけどなんか引っかかる。"

  • “明確に言えないけど、この方針はダメな気がする”

  • "よくわかんないけど、反対。何か嫌だ。"

こういった感情を紐解く。これらを放置すると、ストレスが溜まる。それで済めばいいが、ビジネスにおいては悪影響を与える可能性が高い。例えば、説明能力がない社長が社員の意見を十分な説明無しに突っぱねて、社員の反感を買い、労働力を大放出していたのを見たことがある。逆も然りで、上司に提案するも十分に説得できないために却下されて、本人の能力不足にもかかわらず、 “あの上司はダメだ”と嘆いてしまう人もいた。このように、"黙って従え" というように突き放すのは楽である。しかし、周囲に煮え切らない思いをさせないようにするには、納得のいく説明が要る。

言い換えると、適切に言語化した説明さえできれば、ある程度自分の思い通りに事を進められるケースが増える。それは、皆我に屈服せよといった覇権的な推進ではない。というより、協力関係を築いて、建設的にプロジェクトを前に進めたり、効果的な交渉をしたりするのに役立つことを意味する。なぜなら、言語化すると自然と論理性が高まり、他人にとって納得しやすいからだ。"なんとなくこうしたい" と言われるのと、"こういう理由で、みんなのためになるだろうから、こうしよう" と言われるのはどちらがいいかは明白である。

ということで、言語化のステップを言語化していく。少しでもヒントになれば幸いだ。私の言語化プロセスを簡素化すると、以下のようになる。
観察 => 原因特定 => 解決
とにかく観察が大事。いかに観察して、多くのヒントを集めるかが大切である。数学的に言えば、できるだけ多くの変数を集められれば、正確な解を求められるということである。



言語化のステップ

結論、言語化は観察から始まる。自分や他人の行動、自分の感情、起きたことを整理して、それを具材に答えを導き出す。

  1. 問題提起 (感情/問題を見つける):漠然とした不快感や疑問に気づく。

  2. 思い出す (特定の感情を感じた瞬間を想起する):その感情を強く感じた具体的な事柄を思い出す。よくわからない感情を言語化するとき以外はスキップしてもよい。なぜなら、この思い出すという工程は、感情のトリガーを発見することが目的であるため。

  3. 観察する (特定の感情を感じたとき/問題が起きているときの状況をリストアップする):具体的な事柄を客観的かつ明確に述べる。

  4. 逆を考える (もし事象がなかったら、逆だったら):その出来事がなかったら、または逆だったら同じ感情を抱くか考える。

  5. 原因特定 (感情の原因を特定する):深掘りして根本的な原因を特定する。

  6. 仮説立て ("ということは?"で論理展開する):感じたことから推論を始める。

  7. 解決策を考える:原因に基づいて具体的な対策を立てる。


例1:自分の感情を言語化する場合

1.問題提起 (感情/問題を見つける)

  • なんかもやもやする。やる気が出ない。

2.思い出す (特定の感情/問題を感じた瞬間を想起する)

  • 次の会議の資料を作るタスクに取り組もうとしていた。

3.観察する (特定の感情を感じたとき/問題が起きているときの状況をリストアップする)

  • 夕方だった。

  • 嫌いな分野ではない。

  • 資料にまとめる内容は専門性が高い。

  • 馴染みのない内容ではないが、あまりその分野について詳しくない。

  • 資料をまとめるために、時間をかけて頭を使い、調査する必要がある。

  • 何から取りかかればいいかわからない。

4.逆を考える (もし事象がなかったら、逆だったら)

  • もし、昼だったら?

    • もやもやするかもしれないけど、もやもやしなかったかもしれない。

  • もし、嫌いな分野だったとしても?

    • もやもやする

  • もし、資料にまとめる内容は専門性が低かったら?

    • もやもやしない。

  • もし、馴染みのある内容であったら?

    • もやもやしない。

  • もし、あまり時間をかけて頭を使わなくても、達成できることだったら?

    • もやもやしない。

  • もし、何から取りかかればいいかの手順がはっきりしていたら?

    • もやもやしない。

5.原因特定 (感情/問題の原因を特定する)

  • 少し疲労がたまったときに、多くのエネルギーを消費するような作業に対してもやもやを感じた。

6.仮説立て ("ということは?"で論理展開する)

  • ということは、やったら疲れそうだなと思うと、やりたくなくなる傾向がある。(= 多くのエネルギーを消費し得るタスクを無意識に脳が避けようとしている。)

7.解決策を考える

  • 多くのエネルギーを消費しなくてもいいように、

    • Chat GPTやMicrosoft Copilotを使って、機械に大部分を任せる

    • 過去、誰かが作った資料を真似する

    • 自分で調べてもわからなかったフリをして、早々に同僚や上司に聞いてしまう

    • 自分でツールを作って、作業の一部を自動化する

    • 馴染みの無い分野だったが今後もこの分野に携わるので、理解を深める時間を別途取る

  • 多くのエネルギーを消費できるように

    • 体力をつける、もっとよく寝る

    • 次回以降ラクにするための方法、仕組みを考案する

      • テンプレを作っておく

      • 資料をまとめる分野に関するWiki、資料、記事等の情報を一か所にメモしておく


例2:他人の言動を推察して言語化する場合

 1.問題提起 (感情/問題を見つける)

  • プロジェクトのスケジュールが遅れてしまっている

2.思い出す (特定の感情を感じた瞬間を想起する)

  • (よくわからない感情を言語化するとき以外はスキップしてもよい。なぜなら、この思い出すという工程は、感情のトリガーを発見することが目的であるため。この例の場合、スケジュールが遅れているという問題が明白のため、この工程を飛ばす。)

3.観察する (特定の感情を感じたとき/問題が起きているときの状況をリストアップする)

  • チームメンバーが当初の見積もり以上に時間をかけているタスクがいくつかある。

  • 他部署とのやりとりが必要な工程で遅れが生じている。

  • メンバーの一部が、自分のタスクに関してほとんどフィードバックを出さず、進捗状況が不透明である。

  • プロジェクト全体の把握が難しく、現状が不確定であるため、タスクの見直しが必要と感じている。

4.逆を考える (もし事象がなかったら、逆だったら)

  • もし、各メンバーが予定通りにタスクを進めていたら?

    • スケジュールに対する不安や焦りは軽減されたはず。

  • 他部署との連携が円滑に進んでいたら?

    • 遅延の原因が減少し、計画通りに進められたはず。

  • メンバーが進捗報告を定期的に行っていたら?
    状況が把握しやすくなり、進行に関する不透明さが減少しただろう。

5.原因特定 (感情/問題の原因を特定する)

  • チームメンバーのタスク進行

  • フィードバック不足

  • 他部署との連携遅れ

6."ということは?"で論理展開する

  • ということは、メンバーがタスクに必要以上の時間をかけているかもしれない

  • ということは、優先順位が曖昧である可能性がある。

  • ということは、他部署との連携プロセスに改善が必要かもしれない。

7.解決策を考える

  • チームメンバーの進捗状況を定期的に確認し、リソース配分や役割を見直す。

  • 定期的な進捗報告とミーティングを設け、プロジェクト全体の進捗状況をより透明にする。

  • 他部署との連携遅延に関して、フィードバックプロセスの改善策を話し合い、プロジェクトへの影響を最小限に抑える。

  • タスクの優先順位を再評価し、最終的なスケジュールに合わせて適切に調整する。


最後に

論理的に物事を説明できるようになると、上司、部下、同僚、家族、友人と正確な意思疎通ができるようになる。すると、自分の意見を的確に批評してもらえる。いい意見であれば通るし、通らなくても納得のいく理由でボツになる。それでも理不尽なことは起こり得るのが世の中の常とは思うが、多少なりとも改善することは保証する。

言語化できていなかったときと、できている時を比べるとはるかに感じるストレスは減ったし、むしろ楽しいとさえ感じる。ぜひ、試してほしい。また気付いたことがあれば、追記する。

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