ワインにおけるメイラード反応の位置づけ
お酒の熟成に関する話題の中で聞かれることの多いメイラード反応。還元糖とアミノ酸が反応することで茶色い色素を作り出すのがその基本的な意味合いです。
残糖もアミノ酸も豊富に含み、かつpHが比較的高い日本酒では熟成における主体的な位置づけを取りやすいメイラード反応ですが、ワインではその存在感はあまり強くありません。その理由は残糖やアミノ酸の含有量が比較的少なく、かつpHが低いうえに醸造過程から熟成過程を通して保管温度が低く維持されている点が挙げられます。いずれの点もメイラード反応の進行という意味では有利に働くことはありません。
しかしその一方でワイン中でメイラード反応が発生しないのかといえばそんなことはありません。ワインにも還元糖もアミノ酸も含まれているため、反応の進行速度がゆっくりとしているというだけで反応自体は発生します。
そこでこの記事ではよりワインやスパークリングワインでのケースに注目してメイラード反応を見なおしていくことにします。
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