特性あるこどもの中学校卒業後
卒業中学校後の進路は、子どもたちの未来を大きく決める大事な選択です。 特に、学習面で特性のあるこどもたちにとっては、自分に合った学びの場を見つけることが、時には学ぶ以外の選択をすることがその後の成長に大きな影響をあたえるのではないかと思います。
「わが子にとって最適な進路ってなんだろう?」と悩むママたちのために、ここでは高等学校の種類や進路選択のポイントについて書きました。
ベストを選ぶことは、むずかしいかもしれません。
その時のベターを選べるよう、知ってほしくてまとめました。
小学校入学前、就学相談などについては、コチラをお読みください。
進路選択の前に…
進路を考える最初のステップは、「自分を知る」こと。
たとえば、個別のペースで学びたい子には
「通信制の高校」「私立高校」が向いているかもしれませんし、
朝が起きるのがしんどい子には
「定時制」や「多部制」が選択肢に入ります
無理なく、その子らしく楽しめる環境を考えてみましょう。
「今」だけでなく「未来」も見据えて
進路を考えるとき、今の状況だけでなく、
将来どんな大人になりたいかも展望に入れることが大切です。
選択肢を知ることで、より長期的な目標に向けて進路が見つけやすくなります。
では、どんな高校や取り組みがあるのかまとめていきますね。
高校の種類と学び方の違い
◎がついているものは、高卒資格があるものです
1)高等学校
進級・卒業するために各高等学校で定められた「単位」の取得が必要
単位の修得には、出席時間数や定期テストの成績で各校で定められている条件をクリアしないといけない
学校で学ぶ時間帯や学びの違いによって
全日制
定時制
多部制
通信制
の課程にわかれている
◎①全日制(公立・私立)
小学校や中学校と同じように朝登校して、1日5〜6時間の授業を受けます。
1年間で200時間程度の授業があり、基本的にクラス全体で同じ時間帯に同じ授業を行うスタイル
学科
◎普通科
国語、地理歴史、公民、数学、理科、英語などの教科を広く深く学ぶ
高校卒業後の進路にあわせて理系、文系など学習する教科を選択できる
◎普通科新学科 NEW
令和6年度より兵庫県立高等学校の普通教育をする学科として新設
◎職業学科
農業や工業、商業など各分野における専門知識と技術を学び、スペシャリストとして活躍する人材を養成する学科
◎総合学科
生徒の興味・関心、進路希望に応じて、普通科目と専門科目の両方から自分自身で選び学習することができる
適正検査や面接、テーマ別に小論文を書く課題もある
◎特色類型
高校1年時から、より高い専門性で学べる課程として、それぞれ独自に「特色ある専門学科」「コース」「(特色)類型」を設置しています。
全県学区で推薦入試
定員は各校40人(各高校の募集定員の20%以内)
試験の内容は、適性検査・面接・小論文(作文)・実技検査など+調査書の総合判定
学校ごとに学べる内容がちがう
◎②定時制
勤労青少年のために1948年に発足した高等学校課程。
夕方から始まる学校が多く、仕事をしながらでも通学することが可能
昼間定時制:13時~16時
夜間定時制:17時~21時
学校によっては、3年で卒業する3修制のところもある
◎③多部制
1日12時間行われる授業の中から、生徒それぞれの生活スタイルに合わせて1部・2部(昼間)あるいは、3部(夜間)で学ぶことができる高校
毎日登校が必要となっていますが、1日の授業時間が4時間程度と短い学校が多いのが特徴
自分の生活スタイルにあわせて学習する時間帯を選ぶことができる
所属する部のみ(1日4時間授業)で学ぶと、4年間で卒業することができます。
所属する部以外の授業も受けると(他部履修1日6時間)、3年間で卒業することも可能
◎④通信制(公立・私立)
”通信による教育を行う”ため、登校回数などが全日制・定時制と異なりますが、卒業の際に得られる高校卒業資格はおなじもの
なお、高校を卒業するためには、全課程共に3年以上の在籍期間を満たしている必要があると、学校教育法により定められてる
週に通う回数を自分で選択できる場合や年1回の合宿に参加するなど、学校によってちがう
スクーリング回数や場所は学校によって異なる
レポート(課題の添削)、スクーリング(面接指導)、テスト(試験)を通じて単位を取得
サポート校
通信制高校に通う生徒が3年間で卒業できるよう、学習面、生活面、精神面でサポートするのが目的
学校教育法で定められた法的な「学校」としての認可を受けていないので、サポート校だけでは高卒の資格(学歴)取得はできません。
通信制高校+サポート校だと学費が2校分かかります。
2)単位制高等学校◎
学年の区分がなく、生徒が自らの興味・関心や進路希望等に応じ て履修する科目を選択でき、修得単位数の合計が、卒業に必要な単位数を満たせば 卒業できるシステムの高校
学年の区分がなく卒業に必要な単位数(74単位)が認められると卒業できるしく
年度ごとの進級・留年という考え方がなく自分のペースに応じた学習が可能
必ず学習しなければならない必履修科目と自分の興味関心や進路に応じて選ぶ選択科目がある
3)連携型中高一貫教育校◎
中学校と校と学校の系統的な学習をする
募集定員の75%は、連携中学校の推薦入学
募集定員-推薦入学の合格者=一般公募
4)高等専修学校◎
高等専修学校(専修学校高等課程)は、中学校を卒業した生徒が、
少しでも早く自分の夢や目標に近づくために、専門知識を学べる学校
専門分野や取得できる資格の種類により、教科や授業の内容が大きくちがう。
高等専修学校では多様な分野の資格が取得可能
就学年数は学ぶコースによって1年から5年まで
大学入学資格付与指定校あり
5)高等専門高校◎
技術者になるために専門的な知識、技能を身に着ける5年制の高等教育機関
短大卒とおなじ
卒業後に2年の専攻科に進学することで学士の学位取得可能。
大学への編入も可能。
高校と大学が合わさったような学校であり、単位制の学校
6)特別支援学校
出願にあたっては、生徒と保護者がともに学校見学をする必要がある
入試は、学力検査・作業能率検査・面接など
特別支援学校高等部を卒業した時は、
一般の高校と同じような<高校卒業資格>ではなく
<特別支援学校高等部卒業資格>です
障害者手帳が在学するには、必要
大学の入学にはどちらも使えますが、特別支援学校は自立課題が多いので進学率は、全体のおよそ2%以下とかなり狭き門です
高等部
障害のある生徒については、その可能性を最大限に伸ばし、
社会の一員として可能な限り主体的に生活を営むことができる力を育成するため、
特別な配慮のもとに手厚くきめ細かな教育を行う学校。
職業科
卒業後の進路としては、療育手帳を利用して障害者枠での一般就労が目標
高い就職率もさることながら、三年後の継続率も高い
7)チャレンジスクール(定時制・総合学科)東京都◎
小・中学校時代に不登校経験を持つ生徒や長期欠席等が原因で高校を中途退学した者等を主に受け入れる総合学科・三部制(午前部・午後部・夜間部)の高校で、他部履修により3年での卒業も可能とする。
8)エンカレッジスクール(全日制)東京都◎
小・中学校で十分能力を発揮できなかった生徒のやる気を育て、頑張りを励まし、
応援する学校として、社会生活を送る上で必要な基礎的・基本的学力を身に付けることを目的として、既設校の中から指定。基礎・基本を徹底するとともに体験学習を重視
卒業要件
高校在学期間(通算)が3年以上
必履修科目を全て含み74単位以上の取得
特別活動(HR・学校行事など)60時間以上の出席
こんな取り組みもあります
不登校特例校
正式名称:不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校
学習指導要領の内容などにとらわれずに、不登校の状態にある児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成し、実施している学校
学び直しのための入門科目を設置
生徒ケアが手厚い
学校数は、24校(うち公立14校、私立10校)※R5年度小中等部も含む
高等学校における通級による指導
平成 30 年度から高等学校における通級による指導が制度化された
通常学級に在籍
自立課題がメインとなる
令和4年度高等学校における通級による指導実践校育
中学校との通級による指導とは、ちがうので前もって指導内容を確認してください
大阪府立自立支援推進校
知的障がい生徒自立支援コース設置校:11校
高等学校の学科内に設置
受験者は大阪府内の中学校を卒業する見込み
療育手帳を所持している者又は児童相談所等の公的機関により知的障がいを有すると判定を受けた者
自主的な通学が可能である者
学力検査を実施せず、面接+ 中学校長の調査書及び推薦書+ 自己申告書
大阪府立共生推進教室
共生推進校(共生推進教室設置校):10校
職業学科を設置する府立知的障がい高等支援学校(以下「本校」)の生徒が、府立高等学校に通い、高等学校で学ぶ
週1回程度、本校で職業に関する専門教科を学ぶ
生徒の教育的ニーズを把握し、必要な支援を行う
高等学校と連携し、就労支援の取組みの充実を図ります。
SEEDSプログラム(阪大)
「SEEDS」とは、Science & Engineering Enhanced Education for Distinguished Studentsの頭文字をとったもの。
SEEDSのホームページでは、「世界最先端の科学技術にいち早く触れてみたいという意欲的な高校生向けのプログラム。
大阪大学での多岐にわたる研究に触れてもらうことで科学に対する小さな好奇心の芽を大きく伸ばしてもらうのが目的」と紹介されています。
高等学校(高等専門学校を含む)1年生、2年生
ただし、中学校段階の生徒が極めて卓越した意欲・能力を備え、高等学校段階の生徒に対する教育プログラムをそのまま受講できる場合に 限り、中学校段階の生徒にも応募を認めます
SEEDSプログラムの受講生としての活動経験が無い生徒に限ります
8割以上の出席ができる生徒に限ります
高等学校卒業程度認定試験【高認】
高校を卒業していなくても、高校を卒業した人と同じくらいの学力を持っていることが証明され、大学や専門学校などの入学試験を受けることができる。
基本的に4つの解答の中から正解を選ぶマークシート方式
8科目すべてに合格することで高卒認定合格
年2回実施(8月・11月)
1回の試験ですべての科目に合格しなくてもOK(何度でも挑戦可能)
高等学校等専攻科
高等学校等専攻科は、下記①~③いずれかの要件を満たした専攻科になります。
①大学への編入学基準を満たす課程を有する
②国家資格者養成課程を有する
③就労支援に資する教育課程を有する(特別支援学校の専攻科に限る)
高校を選ぶうえでのポイント
義務教育ではないので、休学や退学も勧められることもある
自分が学校をえらべる2校分のお金が発生することもある
高卒の資格がとれないところもある
進むだけが「正解」ではない
高校進学は一般的な進路ですが、唯一の選択肢ではありません。
必要と感じたタイミングで学び直すこと
進学しない道を選ぶ
学びたいと思ったときに学ぶ、でいいのでは?
生きるので必死なときには、休むことも大事。
進学以外の方法を見つけることもおススメします。
とはいえ、親はあくまでもアドバイスのみ
決めるのは、【本人】
わが家の場合は…
実際に高校説明会(私立・通信制高校)へ行ってみました。
公立高校や特別支援学校のオープンスクールにも本人を連れて行った結果…
情報量が多すぎてパンクしました💦
特に高校説明会は、高校の数が多くてめぼしいポイントをまわることができませんでした。
長女は、2~3校に絞ってほしいとわたしにヘルプを求めてきたので
本人からの希望を聞き取り、家からの登校時間を考えて3つに絞りました。
3校のオープンスクールへ行き
本命を決めてから登校練習で授業体験をしたり
本人に高校のイメージができて、ようやく願書の話となりました。
公立高校も順次インターネット出願にかわってきています。
最新の情報をニュースなどで確認してくださいね。