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9ヶ月間の生活


看護師の仕事を休職・退職し、新しい仕事を始めていたこの9ヶ月間。

今回noteにこの内容を書きまとめようと思った理由は2つある。1つ目は4月からまた新しい環境になること。2つ目は私の人生が誰かの人生にとっても役に立てたら良いな、と感じたからである。

私がなぜ休職に至ったのかなどは過去のnoteに、その時の感情をつらつらと書いてあるのでよかったら見てほしい。

https://note.com/nagi___031/n/nd5d3a54a08e2


昨年の4月に新卒の看護師として市立病院に就職し、1日も休むことなく仕事に出勤し続けていた。それなのにある日を境に私は仕事に行けなくなってしまった。

精神科の診療所に行き、診断されたのは【適応障害】だった。

適応障害とは、ある特定の出来事をきっかけに(例えば環境の変化、新しい人間関係など)その人にとっての苦悩を生じさせ、身体的にも精神的にも症状が現れるものである。

診断されてすぐに私は休職することになった。
休職期間は1ヶ月、3ヶ月と徐々に延長していった。
その間、私は自分の人生に心底絶望した。

家族や恋人、友人と居ても楽しくない、気を遣われるのが申し訳ない、疲れる、ひとりでいる方が楽なのに本当にひとりにされたらそれはそれで辛くなる。

夜が近づけば自分を責める時間になり、真夜中何度も目が覚めては、寝付けないの繰り返し。

どうして他の人は普通に出来ているのに、私はこんな事になっちゃったんだろう。
自分が思い描いていた看護師になれなかった。
周りの人に嘘をつき続けて、親にまで嘘をついてもらって申し訳ない。
看護師としてまた働かなきゃいけない、でもあの病棟にはもう戻れない、かと言って働ける場所なんてあるのか分からない、ここを退職するかどうか決めなきゃいけない。

こんなことを毎日毎日考えていた。
それでも日を重ねるごとに少しずつ、身体的にも精神的にも回復をしているのは自分でも感じられた。

回復するにつれ、自分の考えをしっかり持てるようになり今後の事について悩んだ。

私はひとり暮らしをしていたし、学生の時に奨学金も借りていたし、そんなに簡単に看護師から離れる訳にはいかないと思っていた。

それでも今またここで戻ったとしても、私はまた同じことを繰り返してしまうのではないかという恐怖があった。しかし、そう感じながらも私は看護師として働ける場所を探し始めていた。

そんなことで悩んでいた時、恋人に相談をした。
そうしたら恋人から「一旦、看護師の仕事から離れて自分の好きな仕事を始めてみたら良いんじゃないか?」と言われた。

私はこの言葉に何故か胸が高鳴った。
学生の頃から看護一筋で、バイトも出来なかったし、休日さえも勉強で追われていたし、そんな人生から離れられると感じると凄く心の奥でわくわくする気持ちがあった。

それをきっかけに私は両親を説得するためにパワーポイントを作成し、プレゼンした。
今思うと少し笑えるけど必死だった。
でも両親はあんなプレゼンを快く受け入れてくれた。

それが決まってからは部屋の解約をし、ライフラインも解約し、引越し作業をどうするかも決め、奨学金を借りている所にも電話をし、病院にも退職することを告げ、退職届を提出しに行ったりとバタバタな日々を過ごした。


そして綺麗さっぱりに面倒なことを片付け、自分のすきなことを出来る時間が、生活が始まった。

面倒なことをやり続けている間に私はある所に面接の応募をした。

そこが今働いているところだ。
看護師の仕事とは全く別の仕事で、商売的なものなのかな。
多くの人が知っているあの有名なお店で、昔から凄く好きで通っていたお店で私は働いている。

そこで働き始めて4ヶ月程が経つ。
覚えることも多くて、看護師の知識や技術は全くと言って良いほど使い物にならないけれど、周りの人に恵まれて何とか働き続けられている。
新しい職場で、新しい人たちにも出逢えて、仲良くしてくれる先輩が沢山できた。

もちろん看護師に比べたら給料も少ないし、あの仕事量で「これだけしか貰えないの?!」と驚きはあるが、それでも自分の好きなことが出来ている。

あの真っ暗闇な道を、ただひとりで踠きながら歩き続けていた時よりも遥かに幸せな日々を送っている。

給料が少なくたって、人は幸せに生きていける。
そう感じた。


でも私は心の奥底で「やはり看護師として働きたい」という気持ちが沸々と湧いていた。
せっかく試験や実習・国家試験合格したのだから、私は看護師として働きたいと思っていた。

また同じような事になるかもしれない、また壊れてしまうかもしれない、自分を見失うかもしれない。
けれど私はそれでも看護師としてちゃんと働きたい。

そう感じて、気が付いたら面接を受けて採用してもらえた。

4月からまた看護師と、今働いているお店を両立しながら頑張ろうと思っている。
どちらも非常勤とアルバイトだけれど、、。


だから今、自分の人生に悩んでいる人。
私みたいにどうする事が正解なのか分からない人。
人と違う生き方をするのに勇気が出ない人。

人生、本当に何とかなる。

私もあの時は自分の存在自体を否定して、こんな自分死んだ方がいいとまで思っていた。

正解が無いからこそ、自分の進む道が恐いし、不安だし、本当にこれで合ってるのか?って何度も自問自答するかもしれない。

けれど、あなたが決めて進んだ道はどれも正解で、間違っていたとしてもいつからだってやり直せる。
人と違う生き方をするのは少し勇気がいるけれど、そういう人のほうが他の人には味わうことのない出来事や新しい世界、新しい人間関係、知らなかった知識に触れる事ができる。


だから大丈夫。
私も恐いけれど、不安で仕方ないけれど、自分で選んだからには頑張っていこうと思う。
そんな生き方が、誰かにとって役に立つ、踏み出す一歩に繋がれば良いなと思う。


そんなことを学んだ9ヶ月間だった。

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