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鶏ムネを制する

私はお肉好きだ。中でも鶏肉が大好き。
牛肉も、豚肉も、他の肉も好きなんだけど、毎日食べてもいいと思えるのは鶏肉だ。鶏肉の中でも、ダントツ1位はもも肉だ。せせりも好き。手羽元、手羽先、全部好き。…でもムネ肉は、パサパサしてから、沢山はいらない。でも安いからたまに買ってみるが、やっぱりパサパサ…。どうしてもモモ肉に頼ってしまう。

ところが、コンビニで売っているサラダチキンは、ムネ肉なのに全然パサパサしてない。これはちょっとした衝撃だった。うまく調理すればムネ肉だって美味しいのだ。

ムネ肉は低温調理をするとパサパサにならないというので、一度試したことがある。しかし何となく違うのだ。しっとり感が目立ってというか、なんか自然じゃない…。かといって、低温調理器を買う気がしない。やっぱり肉には焦げ感が必要なのだ。これはどうしたものか。鶏ムネを制することが、鶏肉を制することだ…これが頭の中をくるくると回るが、いい案がでないまま月日が過ぎた。

そんな時、このnoteで楽しく読ませていただいている、ケイチェルおじが紹介してくれた「鶏ときのこの白ワインソース」。
彼の鶏料理にコメントした時に、ムネ肉は「鶏ときのこの白ワインソース」がいいというので、トライしてみよう!ということになった。

レシピは割愛するが、やってみると結構手の込んだ料理だった。いや、私の普段の料理が大雑把なのか?バターで小麦粉を焦げないように炒めて、こんがりしたらブイヨンスープを投入なのだが、バターで小麦粉を炒めるのは初めて。弱火だからか、なかなか小麦粉がこんがり色にならない。まだかな?まだかな?と見るが、記事のようなこんがりとは程遠い。しかしその瞬間はやってきた。アッという間とはこういうことか。一気にバターがなくなりこんがり小麦粉ができた。しかし私にとって初めての体験だったので、あああああ!焦げてしまう!と焦ってかき混ぜまくってしまった。火を止めればいいのに。その際、かき混ぜていたヘラのようなフライ返しが熱にやられて曲がってしまった。…ご臨終。
気を取り直して、ブイヨンスープを投入、中火で焦げないように10分間混ぜる。トロッとしてきたら、白ワイン投入。更に10分焦げないようにかき混ぜる。最期にレモンと生クリーム、塩を投入してソースの完成だ(私は牛乳とパルメザンチーズで誤魔化した)。多分30分近くかき混ぜたことになる。グラタンのホワイトソースの方が楽ちんだ。しかも見た目は、お世辞にも美味しそうに見えない。大丈夫だろうか…。

鶏ムネ肉は基本、下味はいらないようだ。しかし私はパサパサ感をなくしたくて、前日から酒と三温糖で下味をつけておいた。これでパサパサ感が減るらしい。甘くなったら嫌だと思い、砂糖は少な目にした。これを一口大に切ってバターで炒める。ケイチェルおじさんはマッシュルームをお供にしていたが、私はしめじだ。しめじは私の味方だ。どんな季節でもコスパがいい。

焼きあがったお肉を皿に乗せて、ソースをかける。お肉だけ多めの分量にしてしまったことに、ここで気づくけど、もう追いソースを作る気が起きない。足りないなりに食べればいい。

見ため的にとても不安だったが、このソースは絶品だった。とても優しい味だけど、深みがあると言うか。濃厚というほど、出しゃばってない。さすがフランス料理のソース!C’est délicieux!ああ、もっと作ればよかった。これは本当に…沢山食べたい…。ソースを少なく作ったことに後悔した。この味が恋しくて我慢できなくなったら、今度はソース倍増で作ろう。

ソースに持っていかれて、すっかり忘れていた。このエッセイの主役である鶏ムネ肉だが、意外と柔らかく美味く頂けた。若干パサ感があるが、パサパサではなかった。焼く時に弱火で時間をかけたからかもしれない。砂糖効果はよくわからなかった。今度は砂糖なしでやってみよう。その違いが砂糖効果だ。


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『レイチェルのパリの小さなキッチン』に載っているレシピだそうです。
ケイチェルおじさんの記事はこちら→『鶏胸肉とキノコのソテー・白ワインソース 【レイチェルレシピ】』