人を成長させたいなら、まず組織文化に手をつける
企業では、新人研修の時期ですね。私もいくつかの企業で研修をさせて頂いています。zoomなどでライブでやることもありますが、オンデマンドで動画での登壇もあります。
毎年やらせて頂いている、ある大手企業にも今年は動画で納品しました。動画の撮り方や研修デザインを工夫したので、
「動画なのに、まるでそこに永谷さんがいるみたいで臨場感がありました。新人も真剣にPDCFAメソッドを学んでいました」
と喜びの声をいただき、とても嬉しい気持ちになりました。
さて 今、企業では、新人教育まっさかりだと思いますが、数ヶ月後には、新人さんは現場に配属となり仕事が始まります。そして組織の中で成長しながらビジネスパーソンとして自立していくことになるでしょう。 成長できるかどうか、もちろん本人の頑張りは重要ですが、組織の文化も大きく影響してきます。 (企業で言うと部門やチームの文化、学校で言うと職員室の文化ですね)
そこで今日は、
「人がを成長させたいなら、まず組織文化に手をつける」
を書きたいと思います。
人が成長できない組織の特徴に
・成長機会が与えられない
・逆に過保護に与えすぎる
という問題がありますが、実は一番怖い問題が
・成長がしないほうがいい空気
が組織に充満していることです。
働いていて課題が見えているのに、解決に手を上げようとしないのです。一種の事なかれ主義ですね。
また、上司に解決を促されても、
「私にはちょっと」と謙遜をしたり、その課題に「気づかないふり」をするのです。
だいぶひどい話ですが、いくつかの組織に見られる現象です。
「一歩前に出ると損をする」 と思い込んでいるフシがあります。
自ら自分の成長をストップさせているとも言えます。このようなことを続けたら、10年後は食えない人材になってしまいます。
ここで考えたいのは、本人は
「本当に成長したくないと思っているのか?」
という問いです。
私は、仕事をするすべての人が
「もっといい仕事をしたいと本質的に思っている」
と思います。
自分で考え、工夫をしたり、挑戦したりして、自分が周りに役にたつことを実感することで、喜びを感じることが「仕事」というものです。
「だったら、成長機会を与えてチャレンジさせれば誰でも成長するのでは?」 と考えるのは短絡的です。時代は大きく変わりました。 今までの
「画一的な成長論」 は通じなくなっているのです。
[売り上げを上げる]、[会社を大きくする]、[リーダーになる]、[出世する]
といった言葉に魅力を感じない人も多くいるのです。
でも、市場の変化の激しい今の時代、昨日の仕事ぶりが今日通じるとは限りませんので、一人ひとり成長することでのみ、顧客の満足を得続けることができ、結果会社は存在することができるのは間違いありません。
よって、働く一人ひとりの日々の成長は必須です。
では、これからはどこにフォーカスして人の成長を促せばいいのか。
それは 「価値観に着目すること」 です。
簡単にいうとその人が 「大切にしていること」を大事にするとも言えます。
一人ひとりがもっている価値観と組織が目指すことの一致点を見出し、お互いに育んでいくという仕組みが「人が成長する組織文化」を育みます。
結果的に、一人ひとりが、主体性を発揮して行動変容する人材に成長していくのです。
ただ、働いている人の中で、
「あなたの価値観は?」
と問われて即答できる人は少ないでしょう。日々のルーチンワークに追われてそんなこと考える時間がないよ、とグチも出てきそうです。
そこでもっとも大事なことは組織で働く人一人ひとりが
「不安も含め、本音の感情と成長イメージを周りに自己開示できているか」
ということです。ただそこを阻害するのが、
「その素直な感情とのアクセスを遮断するフタ」 の存在です。
よってこの「個々人の心のフタを開ける、組織文化作り」が肝となります。(心理的安全性という人もいますね。)
ではどうやったら誰もがそのフタを開けられる、いい組織文化が作れるのでしょうか。
文化とは一人一人が組織の中で発している「言動」の塊です。その言動がすべてが「成長」を促している必要があります。
そのためにどうすればいいのか。
私は、まず「仕事の失敗やダメだったこと」ではなく「できたこと」に着目するアプローチが有効と考えています。
「できたこと」を見ることによって自己肯定感があがりますし、お互いの承認(認め合う)文化も根づきやすくなります。私は個人にも自己肯定感がありますが、組織にも自己肯定感があると思っています。それをスタートとして内省による行動変容を導き出せばいいのです。
ではどんな具体的な仕掛けが効果的か。。このあたりはまたの機会にじっくり書きたいと思います。もし良かったら「科学的にラクして達成する技術」にも書きましたので興味があれば読んでもらえたら嬉しいです。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。