Jリーガーとして今できること。
浦和レッズの長澤和輝です。
新型コロナウイルスの影響でJリーグが第1節を終えた段階で中断となって以降、僕たち選手も安全を第一に自宅で過ごしている状況です。現在、村井チェアマンをはじめ多くの方々が再開に向けて様々な角度から検討を進めていただいていることと思います。リーグ戦やカップ戦の形式が変わることや、無観客試合での開催等も検討がされているように今シーズンのJリーグはどうなるかは分かりませんが、僕たち選手は与えられた環境の中で最大限実力を発揮することで貢献していくことが第一であると思います。
ただ、政府から緊急事態宣言が発令されたように、当初想定していたよりも状況は厳しい方向に向かっております。僕たち選手はこのまま自宅でただ状況を見守ることしかできないのか、と無力感を感じると共に、やはり受け身ではなくJリーガーとしてこの問題に主体的に関わっていきたいと思います。
そこでnoteを始めてみようと思いました。昨年僕は、Jリーグでプレーをしながら早稲田大学大学院スポーツ科学研究科の平田研究室で1年間勉強をさせていただき「日本人サッカー選手がドイツ・ブンデスリーガで活躍するための要因と方策」というドイツ時代の内容を論文にまとめ優秀論文賞もいただくことができました。研究活動を通じて得たことは、自分で問いを立てて考えをまとめるということです。普段インタビューを受けて答えるということはある程度慣れておりましたが、自分でお題を立てて考えを文章にまとめるというのは全然違って非常に新鮮でした。
せっかく浦和レッズの監督・チームメイトそしてサポーターの皆さんから快く大学院に送り出していだだいたので、小さなことかもしれませんが、研究活動で身につけた力を活かして自分の考えを発信することが今僕にできることであると思っております。
まず僕なりにJリーガーとして今できることを考えてみました。
本来であれば、この時期僕たちJリーガーは毎週のように試合があって多くの子供達の憧れになっていたり、家族の休日のイベント、サラリーマンのストレスの発散場所などエンターテインメントとして多くの役割を果たすこととなっているはずでした。大きく考えたら誰かの生きがいになっていたり、心の支えになっているのだと思います。下の画像は昨シーズン終了後にInstagramでサポーターから頂いたメッセージです。
実際にこのようなメッセージを受け取るとプロサッカー選手という仕事は本当に素敵な仕事だと思うし、多くのものを背負って戦わなければいけないと思います。また子供達が憧れて目指す価値のあるものだと感じます。僕も子どもの頃はJリーガーは憧れの存在でしたし、家族や友だちとの会話の中心となる話題はサッカーでした。だから僕ももっともっと憧れられる選手になりたいです。
それにしても、なかなか選手がサポーターひとりひとりの声を直接受け取ることはなかなか難しいので、こういったSNSで直接ファンやサポーターと繋がれるってすごい時代だなあとw
しかし、体を密にぶつける僕たちから密を奪ったらやれることはかなり限られてきます。練習も試合もできません。そんななか僕たちに残されたものは発信力だと。
この機会にJリーガーとして誰に何ができるかを考えてみました。
上に載せたような多くの声援をもらって頑張ってこれた僕たちが、次はその地域社会で頑張っている皆さんを応援するべきだと思いました。
Jリーグは創設当初のオリジナル10から56クラブまで裾野を広げたのには、それぞれの地域に根ざしたプロチームを作ること。そしてその地域を豊かにしていく公器になること。まさにスポーツは、する、みる、支える。から支え合うの時代に。
@thanksmedicalworkers
新型コロナウイルスの影響で多くの方々が様々な問題で苦しんでいます。その中でも特に医療従事者の方々が感染の恐怖と隣り合わせで大変な想いをしている。
いつも共に戦ってくださっている浦和レッズサポーターの中にも絶対医療従事者の方もいる。そういう方々のチカラになりたいと。浦和レッズのチームメイトである宇賀神友弥に相談すると、「一回みんなでzoomで集まって考えようよ!」と提案してくれてみんなで夜な夜なmeetingすることになりました。
柏木陽介、宇賀神友弥、鈴木大輔、元チームメイトの遠藤航でzoomで集まって話し合い、この困難な状況に立ち向かっている医療従事者の方々への感謝の気持ちを僕たちがメッセージとして発信することで、少しでも力になれるようなムーブメントを起こそう、と。目的は医療の方々に頑張ってもらえるようなメッセージを送れる企画にしよう。
そんなことから僕たち浦和レッズの選手から発信することで感謝やエールが届くのではないかと思い始めたのが、@thanksmedicalworkersでした。
まずは「合言葉」を決めようということになり、宇賀神が「医療従事者は私たちのスーパーマン」という意見から、あれやこれやとみんなで案を出しながらこの言葉に決まりました。
次にポーズはどうしよう。ここれも宇賀神がポーズは「スーパーマンがいい!」とスーパーマンをゴリ押してきたので、試しに鈴木大輔にポージングをさせてみたのがこれです。
あやしい。
宇賀神はバットマンより絶対スーパーマン派だということはわかったけど宇賀神案は却下することに笑
次にアニメ好きの遠藤航から「ワンピース」はどうかと。ワンピースの名シーンで背中を向けて左腕を掲げるポーズは強い仲間の絆を意味するという意味でチームメイトはかなり乗り気だった。普通このポーズをやる時は、みんな横に並んでやりますが、1人でこのポーズして意味が伝わるかな、と若干僕は心配でした。
もちろんムーブメントが大きくなったら多くの人の目に届いて、多くの方に気持ちを伝えられるけど、そもそも目の前の一人でも医療従事者の方に思いが届けばいいしアクションを起こす事が大切だ。と自分に言い聞かせ実際にやってみました。
始めてみると、本当に多くの方が参加して一緒にメッセージを送ってくださいました。改めてスーパーマンのポーズにしなくて良かった笑
また実際にDMで多くの方から感謝のメッセージもいただきました。一部を紹介させていただきます。
医療従事者の方々に感謝の気持ちやエールを届けたくて始めたのですが、こうしたDMをいただく度、むしろ僕自身がアツい想いになってしまいます。
でもやっぱり僕たちなりに一生懸命考えても、この程度のことしかできないもどかしさは残ります。僕たちサッカー選手は繰り返しになりますが、やはりサッカーを通して浦和レッズサポーターはじめ全国のサッカーファン、サッカーファンでない人たちも含めて多くの人たちと喜びや感動を共有して、サッカーって良いよね、スポーツって良いよね、とスポーツの輪を広げていくことで社会に貢献していく存在だと思います。Jリーグが再開したら結果で絶対にお返ししなければいけません。早くピッチに立ちたい僕だけではなく選手たちみんな思っています。
医療従事者の皆さんが最前線で奮闘されている一方で、僕を含め正しく恐れる行動を取り続け新型コロナウイルスの影響が収まらない限り、レッズサポで赤く染まった埼スタは返ってきません。「いつか終わりは来る」その日を楽しみに、今できることを考え行動していきたいと思います。
長くなってしまいましたが、こんな感じで不定期に私的な考えを書いていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?